2017.11.06
買い替えユーザ目線で徹底比較!
Face ID・顔認証は指紋認証よりも使いやすい?
初搭載の顔認証システム
指紋認証システム「タッチID(Touch ID)」は、iPhone 5sではじめて搭載され、今やiPhoneだけでなくiPadにも使われるおなじみの機能となりました。iPhone Xでは、この慣れ親しんだ認証方法を捨て去り、新たに顔認証システム「フェイスID(Face ID)」を採用。インカメラを見つめるだけで、ロック画面の解除や認証、支払いを安全に実行できる新しいセキュリティシステムです。
フェイスIDのキモは、本体前面の上部にあるトゥルーデプスカメラシステムと、A11バイオニックチップにあります。仕組みは、まず本人の顔に3万以上の赤外線ドットを投射。この赤外線イメージとドットパターンがニューラルネットワークに伝えられ、顔の数字モデルが作られます。作成データは照合されるだけでなく、機械学習によって外見の変化に常に適応するため、メガネや帽子、髪型の変化にも柔軟に対応できるようになっています。
顔のプライバシー情報はクラウドを介さず、A11バイオニックチップ内のセキュア・エンクレーブ(Secure Enclave)によって安全に保護されるため、極めてセキュアだといえるでしょう。
タッチIDよりも便利
技術面が取り上げられがちなフェイスIDですが、すべてはユーザの利便性と安全性を確保するためのもの。1日に何度も使う機能だからこそ、カメラ部分を見るだけでロック解除できるシンプルさは、iPhone 8/8プラスにはない大きなメリットです。
タッチIDは濡れた手で解除しづらかったり、iPhone 7/7プラス以降に搭載される感圧式センサのホームボタンは爪でのクリックに対応しなかったりと、不便な部分もあります。しかしフェイスIDなら、手が使えない状態でも簡単にロック解除から支払いまで可能。アクセシビリティの観点からしても、重要なユーザビリティの進化といえるのではないでしょうか。
また、タッチIDは第2世代から認証スピードが高速化し、一部では「通知を見る前にロック画面が解除されてしまう」といった不満もありました。そこでフェイスIDでは、フロントカメラを注視したときのみロックを解除する仕組みを採用。通知を見ている間はフェイスIDが動作しないようになっています。
先進的なTrueDepthカメラ
ディスプレイ最上部の小さなスペースは、左から赤外線カメラ、投光イルミネータ、近接センサ、環境光センサ、スピーカー、マイクロフォン、フロントカメラ、ドットプロジェクタで構成されています。TrueDepthカメラシステムを使ってリアルタイムで連係しながら顔認証を行います。
顔は3次元解析で認識
ユーザの顔そのものがパスワード代わりとなるため、設定ではさまざまな角度で自分の顔を登録します。そのデータを元にTrueDepthカメラを使って、高度な3次元解析で認証するため、写真やマスクを使ったなりすましにはだまされません。