2017.04.04
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アップルが建設中の新キャンパスを「Apple Park」と命名した。4月から社員の移転を順次開始する。2011年にスティーブ・ジョブズによるクパチーノ市議会でのプレゼンテーションで公になった新キャンパスは、同氏による「最大の製品」とも呼ばれている。
自然と建物の融合
故スティーブ・ジョブズの誕生日(2月24日)に合わせるように、アップルは同社が建設中の新キャンパスの正式名称を「アップルパーク(Apple Park)」にすると発表した。2013年に建設計画がクパチーノ市で承認されてから3年。社屋はほぼ完成しており、4月に社員の移転が始まる。建設作業は夏まで続き、また1万2000人以上の従業員の引っ越し完了には半年以上かかる見込みだが、ジョブズが創造とコラボレーションの中心として思い描いた新キャンパスがついにオープンする。
カリフォルニアの樹木と草地が広がる緑の中にリング形状の社屋が建つアップルパーク。リングの内側には公園が広がり、ランニング/ジョギングコース、果樹園、人工池などが設けられている。ヒューレットパッカードのキャンパスだった頃は70%が駐車場や社屋で30%が樹木などだったが、アップルパークになって比率が逆転して70%が緑地になった。駐車場は大部分が地下に設けられている。
アップルが企業目標としている100%再生可能エネルギーも取り入れられており、世界でもっともエネルギー効率に優れた施設の1つになる。建物の屋上に17メガワット分のソーラーパネルを設置、オンサイト太陽光発電施設としては世界最大だ。そして、これまた世界最大という自然換気機構によって1年のうち9カ月間は暖房や空調を必要としない。
世界最大級の曲面ガラスで覆われた美しいメイン社屋、キャンパス全体を見下ろす小高い丘の上に設置された「スティーブ・ジョブズ・シアター」は建築作品としても注目されている。建設中には、アップルの細部に至るデザインやこだわりが話題になった。米国のオフィスビルの常識を大幅に上回る、まるで電子機器を作っているような厳しい許容誤差を建設業者に求めたという。エレベータにはiPhoneのホームボタンを思わせるボタンが採用されている。そんな見える部分だけではなく、アップル製品が中身まで美しいのと同じように、新キャンパスは人の目に触れない内部までしっかりとデザインされているそうだ。