2017.02.06
縮小するPC市場で存在感
iOSに軸足を移したアップルがMacを見捨てたのではないかという論争が米国で広がった。タブレットとしても使用できる2-in-1デバイスがPC市場の新たな成長の起爆剤になると期待され、一昨年のホリデーシーズンに多数な製品が登場した。それに比べてアップルはMacのデザインを大胆に変更することはなく、Macの製品アップデートのペースも明らかに落ちていた。
ガートナーの調査によると、昨年の世界PC出荷台数は前年比6.2%減の2億6970万台だった。2012年以降、5年連続で前年実績を下回り、2007年の水準まで低下している。2-in-1は刺激にはなったが、市場全体の成長をけん引するほどの規模にはなっていない。
だからといって、PCが役割を終えたわけではない。2016年の動きで明らかだったのは、PCにはPCでしか応えられない価値があるということ。そうしたPCユーザが求めているのは「パソコンとしても使えるタブレット」でも、その逆でもない。道具として成熟したPCである。
アップルほどPCという形の中でPCを進化させているメーカーはない。それは最新のMac Bookプロに触れればわかる。美しいディスプレイ、優れた操作性、スリムなデザイン、タッチバーと、使ってみるとそれが次世代のPCであると実感できる。