2017.02.06
iPadプロが成熟する年に
2016年度のiPadの販売台数は4560万台で、前年度比17%減。2015年から減速が続くが、2017年は私たちのデジタルライフスタイルを変えるプロダクトとして注目したい。
2017年にアップルのOSを搭載したデバイスの出荷台数シェアがウィンドウズを上回り、2018年にはその差がさらに広がると、ガートナーのアナリストが予測している。アップルのシェアの大半はiPhoneによるもので、PCが中心のウィンドウズとの比較は妥当ではないという人もいるだろう。だが、日々の情報入手やコミュニケーションだけならPCは不要、モバイルデバイスで十分という人が増えている。
昨年春に9.7インチのiPadプロを発表した際に、フィル・シラー氏(ワールドワイドマーケティング担当上級副社長)が「5年以上前のPCが6億台以上もある」と指摘し、iPadプロが「最高のPCの代替になる」と述べたことが波紋を呼んだ。ウィンドウズPCユーザにしてみたら、PCで動くフル機能のアプリが動作しないiPadはPCの完全な置き換えにはならない。
だが、iOSアプリを使えることがiPadの強みなのだ。スマートフォンが普及してから、コンピュータデバイスに対する人々の価値観が一変した。PCのソフトウェアは多くがハードウェア内で完結するものだったが、デバイスやアプリ、サービスがクラウドの中に溶け込んで機能するのが今日のコンピューティングである。
そうしたクラウドやオンラインサービス、ソーシャルを活かしたソリューションは今、モバイルアプリから誕生している。デジタルライフスタイルのためのデバイスというニーズに対して、iPadはインターネットが普及する以前に設計されたPCよりも優れた体験を提供できる。