2016.12.09
【CHECK 1】持ち運んで好きな場所で使うには?
私たちが新しいノートブックマシンを購入する際に求めるものは何だろうか? 速さや容量といったカタログ上の数値が大きくなるものも大切だが、それ以前に重要なのは「ポータビリティ(持ち運んで好きな場所で使う)」という基本的な部分に着目することではないだろうか。
使っている「オン」の時間に必要とされるコンピューティング性能はもちろん重要だが、それと同じくらい移動中などの「オフ」の時間にもポイントとなる部分がある。つまり「持ち運びやすさ」というスペックについても注目してみたい。
本来はサブノート(セカンドマシン)として開発が出発したアップルのノート戦略だったが、近年ではメインマシンとして使用するユーザが非常に多く、その立ち位置が変わりつつある。その傾向はMacBookシリーズ、特にハイエンドモデルのMacBookプロは「持ち運べるデスクトップ」とも形容されることもあるが、可能な限りノートでも最大限のコンピューティングが実現することを優先されてきたため、軽さや薄さといった要素は二の次にされてきたのも事実である。
その一方で、MacBookエアや新しくなった12インチMacBookのように、業界でもトップクラスの薄型ノートをリリースし、ポータビリティの革新を続けてきたノウハウもある。これがMacBookプロシリーズにも都度フィードバックされ、世代を数えるごとに「より薄く、より軽く」が実現されている。
実際に比較してみよう。現行モデルの中で最小サイズとなる12インチMacBookは、11インチモデルのMacBookエアよりも大きなディスプレイを持ちながら、A4サイズに完全に収まるサイズになっている(右下図参照)。そのため、持ち運び用のバッグの選択肢はビジネス、カジュアル問わずに幅広い選択肢を得ることができる。これはMacBookプロにはない大きな武器といっていいだろう。
この技術を継承した今回の新MacBookプロは、光学式ドライブを搭載した最後の2012年モデルと比較すると、体積にして約45%、重量でも約30%程度にまでシェイプアップされている(下図参照)。
特に13インチモデルは、Mac Bookエアと比べても重さは20グラムしか差がなくなり、容積ベースではついに11インチモデルに匹敵するほどにまでシェイプアップされているのには驚かされる。
店頭などでもよく実際に持ち上げてみて重さを比べている人を見かけるが、より実用的にチェックするのであれば、脇に抱えて持ってみたり、(可能であれば)普段使っているバッグに入れてみて確認するほうが効果的だ。
これまで光学式ドライブを搭載のMacBookプロを使っていたユーザにとっては、バッグの中に占める割合も重さも体感的に半分近くになる。このポータビリティを肌で感じられる体験は、大きな買い替えの理由になるのは間違いないだろう。
●対A4サイズ比較
B5サイズのサブノートクラスに迫るコンパクト化を実現したMacBook。さらに13インチのMacBookプロもほぼA4と呼ぶべきところまで切り詰められているところからも、アップルの開発で「省サイズ」が重要な主軸に置かれ始めているのは間違いないだろう。