2016.12.09
現在のノート型Mac、特にMacBookと新型MacBookプロは、クラウド化やワイヤレスを前提としたデザインが採用されており、旧モデルとは使える機能や使い勝手が異なる。ここでは現行のノート型Macを120%使い込むための実践的なテクニックを解説しよう。
使い方もアップデートしよう
ノート型MacはデスクトップのMacに比べて非力で、サブ用途にしか使えないという昔からの思い込みを引きずっている人も多い。しかしMacプロなど一部の例外を除いて、今ではそうした考えは非常識だろう。むしろ、デスクトップでは不可能なモビリティを備えつつ、デスクトップに匹敵するパワーを持ったMacBookプロは、現在もっとも完成度の高いMacといえる。
もはやCPUやGPUの性能だけでコンピュータについて語ることができない現代において、単に数値上のスペックだけに注目してもあまり意味はない。そのポテンシャルを引き出すには、ネットワークや周辺機器を含めたワイヤレス環境の整備、アイクラウドに代表されるクラウドサービスの活用など、ユーザの使い方の認識をアップデートしていく必要がある。
そこで、この章ではWi-Fiやブルートゥースなどワイヤレス規格の最新情報を確認するとともに、高速なワイヤレスがもたらす利用スタイルの変化について解説していく。また、macOSシエラで新たに採用されたデスクトップと書類フォルダの同期機能など、高速なワイヤレス環境によって実現した機能についても見ていこう。
iOSデバイスとの連係が鍵
さらに、近年のノート型Macをめぐる大きな環境変化として、iPhoneやiPad、アップルウォッチなどiOSデバイスとの連係がある。一部のユーザの中には、いまだにMacが母艦として「デジタルハブ」の中心にあり、iOSデバイスはその周辺機器という認識も根強いが、現在はアイクラウドこそがMacとiOSデバイスの「クラウドハブ」になっている現状を正しく理解しておく必要もある。そのうえでMacとiOSデバイスを連係してこそ、アップルの製品群が形成するエコシステムの恩恵を十分に享受できるようになるのだ。
そこで、ここではこの数年アップルが段階的に推し進めて来たiOSデバイスとの連係テクニックについても解説する。最新MacBookプロを使うのであれば、最低限知っておきたいノウハウなので参考にしてほしい。
もちろん、これまで慣れ親しんだMacの利用スタイルを変えたり、従来の周辺機器を使い続けるための追加投資などは、ユーザにそれなりの負担を強いることは否定しない。だが、そこを乗り越えることでデスクトップにはない軽やかさ、そしてiOSデバイスや12インチMacBookにはない力強さが手に入るだから、費用対効果はむしろ良好だ。
アップルが目指すMacBookプロによる完全ワイヤレス&クラウドの世界像を理解して、その能力を自在に使いこなせるユーザになろう。