2016.03.02
Apple製品のビジネス活用に詳しいモビリティ・エバンジェリストこと、福田弘徳氏のコラムです。
先日いただいた、あるクライアントからの相談内容。「iPadが活用できていない。オフィス文書やPDF、インターネットの閲覧端末としてしか利用できておらず、今後さらに活用していくために、営業支援ツールで何かいいものはないか?」といった内容だ。失敗したiPad導入の典型的な例である。
モバイルとクラウドが普及し、いつでもどこでも情報にアクセスできるようになった反面、目的を持ったiOS導入ができないと、いつまでも目の前のタスクに手をつけず先送りにしてしまい、逆に生産性を下げることになってしまう。営業活動の中で課題となっていること、業務上負荷になっていることなどが明確でなければ、iOSを導入してもシステムに縛られた営業活動しかできず、本来の目的である営業活動の生産性向上、業務の効率化の実現はできない。
たとえば、営業担当者のルーティーンの1つに「日報」がある。朝から夕方まで営業先を回り、夕方に帰社しても顧客対応に追われ、夜になってようやく日報作成の作業を行う、といったケースがよくある。1日中歩き回った営業担当者が、夜に会社でヘトヘトになりながら日報を作成するのは作業効率が悪く、管理する側にとっても必要な情報を取得するのに時間がかかり過ぎてしまう。営業活動に役立てるための日報が、残業を生み出しているとなっては本末転倒である。