アラカルト アップルのミカタ

注目プロダクトのコダワリを知る

QRECO事業部が創り出す超品質液晶保護パネル「REAL SHIELD」はプロが作る本物の逸品

文●栗原亮

なぜ、アップルのミカタをするのか? アップル製品を手厚くサポートするハード&ソフトウェアメーカーの担当さんに、その理由を聞いてみた!

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QRECO
【URL】http://www.qreco.jp

 

 

「巷にあふれるiPhoneアクセサリは安かろう悪かろうの製品がずいぶん販売されています。モノづくりの現場に長く携わってきた私たちから見ると、品質を優先しない市場に驚くばかりでした」と語るのは、株式会社IHMでiPhoneアクセサリなどの企画・製造を行うクレコ(QRECO)事業部の事業部長、水間敏隆さんだ。

同社は1980年に設立された配置薬メーカーで、クレコ事業部は工業系製品の供給を行うために2014年に出発したばかりの新事業部だ。もともとはカメラのファインダ部品などアクリル製の保護パネルや保護ガラスの開発・製造を行う別の会社であった。

「私(水間さん)は金属研磨の分野でトライボロジー(摩擦学)を専門に、製品開発担当の河原井はiPhone 4の液晶保護ガラスの時代から保護素材の研究開発ノウハウを積み重ねてきました。基本的に技術者集団です」

クレコ事業部がiPhoneアクセサリの製造を始めたのは水間さんがApple II時代からの大のアップル好きというのもあるが、工場で見たある光景がきっかけだった。

 

PRODUCER PROFILE

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QRECO事業部 事業部長
水間敏隆さん

 

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QRECO事業部 開発担当
河原井世雄さん

 

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営業推進部 デザイナー
桂川美桂さん

 

 

「工場で働く職人さんたちはスマートフォンを使わないんです。なぜかというと、過酷な現場ではガラスのパネルはすぐに割れてしまうからです。モノづくりの現場で働く人たちにもiPhoneを使ってもらいたいと思い、開発したのが最初の液晶保護ガラスで、その進化形が『リアル・シールド(REAL SHIELD)』シリーズです」

このリアル・シールド開発にあたって競合製品の調査を開始して最初に感じた驚きが冒頭の発言である。

「このレベルの品質でも売れるんだ、というのが正直な感想です。我々の技術であれば間違いなく世界最高レベルの製品が作れると確信しました。とはいえ、我々はアクセサリ業界では新参者ですからブランド力がありませんし、売れるからといって普及価格帯のレベルで競争するつもりもありません。でも、自社開発なら何でもできますし、この業界の古い常識を変えるためにクオリティをもっとも重視した製品を出すことにしたのです」

リアル・シールドの開発にあたってこだわったのは「iPhoneを確実に守る」という基本コンセプトであった。マーケティング的な観点からは少しでも保護ガラスの「薄さ」を強調したくなるところだが、厚さが0.1ミリ違えば強度は大きく異なる。

「0・33ミリが薄さと強さを両立できるポイントです。技術的にはより薄くできますが、iPhoneを守れなかったら意味がありません。また、曲げ強度も重要とされますが、iPhone本体が曲がるわけではないので保護ガラスのスペックだけ強調しても仕方ありません。パネルを貼り直しただけで割れてしまうのでは困りますよね」

強化ガラスの素材選定においてはコーニング社、AGC旭硝子、独ショット社が3大ブランドだが、クレコでは一番コストがかかる旭硝子製を選んだ。これも最高の強度を持つ素材を求めてのことだが、その品質の高さゆえの難しさもあったという。

「iPhone 6の表面はラウンド形状になっていて、保護ガラスにはR(曲面形状)を持たせるかハカマ(周囲をカバーする素材)をかぶせるかいくつか選択肢があったのです。当初はレーザ照射加工で曲げることに満足していたのですが、実際にしばらくテストで使ってみると角が割れてしまう。これは防爆ガラス特有の現象だったのですが、これではダメだと判断して最初に工場で作った5万枚はすべて破棄しました」

高品質な素材ゆえの問題に直面したが、河原井さんら開発陣は発想の転換でガラスの外側に異なる素材である高硬度のアクリルを融合させることにした。

「もともとアクリル素材の取り扱いはカメラのパーツを作るうえでの専門だったので、これまでのノウハウを投入しました。もっとも硬いアクリルは金槌で叩いても割れない強度を持っていますので、これでフチが欠ける問題が起きない保護ガラスパネルとなりました。最初は従来の素材を利用したため黒と白だけでしたが、のちに組み合わせる素材として金属バージョンを作れるようになったので、さまざまな塗装を施せるようになりました」

見た目の美しさと最高強度の確保という両立の難しい課題を克服した「リアル・シールド」は発売開始以降、その品質の高さから注目を集め、新興ブランドにもかかわらず大手量販店でも売れ筋のラインに置かれていることが多いという。皆さんもご自分の目で日本品質の保護ガラスを確かめてみてはいかがだろうか。

 

 

 

「REAL SHIELD」のコダワリ

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素材選び

工場機器の液晶保護パネルのノウハウを応用したiPhone、iPad用アクセサリを製造販売する。現在ガラス製品だけで108種類、40商品を取り扱う。リアル・シールドは日本製JIS最高硬度9Hのガラスを採用、特殊8層構造により、飛散防止、耐衝撃性、透過率などは業界最高峰だ。

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異素材の融合

防爆強化ガラスはその性質上、強い衝撃が加わると「フチ欠け」という現象が発生してしまう。同事業部では異なる素材を融合させることで、このフチが欠けるトラブルを解消した。組み合わせた素材はJIS規格最高硬度9Hの強化アクリルまたは染色した特殊なアルミ合金だ。ガラスと熱収縮率などが異なるため接合するのは難しいが、同社では段差のないフラットな接合を実現した。

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デザイン

ワンタッチ貼り付けカバーは河原井さんの設計によるパテント(実用新案取得・特許申請中)。パッケージのデザインやコピーは桂川さんが手掛け「高品質=黒」という既成概念を覆してホワイトを基調とする清潔感のある配色を選んだ。「iPhone自体が美しいので、それに装着するものも美しくて強いものでなければなりません。その一方で売り場で目立つように赤色を入れたいとか矛盾した要望もあって苦労はありました(桂川さん)」。

 

 

PRODUCT FOCUS

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スーツにも似合うiPhone用手袋

現在QRECO事業部で開発中の新製品が導電性のある革製の手袋だ。これまでも金属繊維を編みこんだニット素材の手袋や厚手のグローブはあったが、指先のタッチ感覚を損なうものが多かった。この新製品ではそうした問題を解決し、滑りにくく指先の感覚も自然なものとなっている。

 

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世界品質のクロスで画面を清潔に!

界面活性剤などを使用せずにマイクロファイバーで油汚れまで拭き取れる「ENJO(エンヨー)」のクロスも取り扱っている(オーストリア製)。自動車工場の最終工程やクリーンルームなどものづくりの現場で愛用される製品で、ごくわずかな水分だけでiPhoneやiPadの指紋や皮脂汚れをきれいに拭き取れる。

 

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電波感度を落とさないバンパー

iPhone 6用のメタルバンパー。ケースやバンパーは設計を間違うと電波感度が落ちるため受信状況の悪い場所ではつながらなくなってしまう。同製品ではTPUケースを金属バンパーとの間に挟むことによって電波問題をクリア。海外の粗悪な製品には見られないコダワリがここにも秘められている。

 

 

【品質】
医薬品業界の会社に参画したことで、これまでの工業製品以上の品質管理が求められたことが驚きだったという水間さん。「検品で歩留まり数%以下が当たり前でしたが、医薬品基準では1つダメならロットごと全部ストップします。おかげで短期間で品質向上が達成できました」。

 

【熱】
iPhone 6s用の保護ガラスパネルが少ないのは、本体の発する熱に個体差が大きいのが原因の1つだという。この差を吸収するには高い技術力が必要で、現在iPhone 7用の保護ガラスも研究開発が進んでいるという。

 

 

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