MacBook活用の極意❻【Sansan株式会社】|MacFan

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働く人のMacBook活用術5

MacBook活用の極意❻【Sansan株式会社】

文●山田井ユウキ写真●黒田彰

スタートアップ企業ではMacを利用する人が多くいます。MacBookをどのように使い、仕事の生産性や効率性を高めているのでしょうか。

Sansan株式会社

クラウドで名刺を管理できるサービス。名刺をスキャンすると、Sansanのオペレーターが名刺をデータ化してくれます。法人向けの「Sansan」は名刺を組織で共有し、顧客データベースとして活用する。個人向けの「Eight」と2つのサービスを展開中。
【URL】http://jp.corp-sansan.com

 

 

 

Eight

【開発】Sansan,inc.
【価格】無料
【カテゴリ】App Store>ビジネス

 

 

 

石野真吾さん Shingo Ishino

Sansan事業部 業務企画グループ兼マーケティング部。大学卒業後、医療系のコンサルティング企業を経てSansanに入社。前職では、自分で映像教材を制作して販売するビジネスを起ち上げた経験も。

 

 

当初はウィンドウズ支給

MF●まずは石野さんの業務内容から教えていただけますか。

石野●業務企画グループとマーケティング部を兼務しています。業務企画グループでは部署をまたいだフローの改善や業務改善を行っており、マーケティング部ではデータ分析やこれまで以上の成果を出すために何が必要なのかを考えるのが主な仕事です。簡単にいうと、何でも屋ですね(笑)。

MF●Sansanでは法人向けと個人向けにサービスを提供していますが、石野さんの担当は?

石野●法人向けの「Sansan」です。

MF●データ分析というと、具体的には?

石野●たとえばCMをどこに打つのかや、営業担当の行動量を上げるためには何が課題で何を変える必要があるかなどの分析を行っています。弊社営業部ではWEBから問い合わせを受け、それに対して電話営業を行うのですが、電話をかけるところからクロージングまで複数の工程があります。その流れのどこにボトルネックがあるかを判断するには、データをシンプルに整理する必要があるのです。

MF●仕事でMacBookプロをお使いとのことですが、それは会社支給ですか?

石野●そうです。2年前に入社した当時はウィンドウズを支給されたのですが、もともと僕はMacが好きで、プライベートで使っていたMacBookエアの持ち込み申請をして使っていました。今年になって、会社からMacを支給してもらいました。

MF●どうしてMacの使用が許可されたのでしょう。

石野●デザイナーが増えたからです。ソフトウェアを作っている会社なので、開発などの部署からもMacを使いたいという声が多かったのです。ただ、誰でもOKというわけではありませんでした。部門長が認めれば使えるのですが、ウィンドウズと同じように会社が管理できるというのが条件です。

MF●ということは、現在社内はMacとウィンドウズが混在している状態?

石野●そうですね。この本社ビル全体でスタッフは200名弱ほどいますが、ウィンドウズを使っているのが150人くらい、Macを使っているのは50人くらいでしょうか。

MF●自分のMacを持ち込むということですが、ポリシーなどはありますか?

石野●会社としてBYODを推進していますが、必ず申請を出して端末を登録する必要があります。業務利用できるアプリもある程度制限されていて、P2P(ピアツーピア)などは禁止されていますね。Macのプロファイル管理に関しては情報システム部門が担当していて、Mac用のサーバを自社で作り、プロファイル更新などができるようにしています。

生産性向上のためのMac

MF●石野さんがMacBookの申請を出したのは、やはり使い慣れていたから?

石野●そうですね。仕事の生産性という点で、僕にとってはMacBookが最高にマッチしているんです。

MF●どんなところが気に入っていますか?

石野●フルスクリーン表示にしたソフトの画面を、トラックパッド操作でスライドさせられる機能が一番好きです。モニタを複数使う感覚で仕事できます。ブラウザでタブをたくさん開くよりも、こっちのほうが僕は直感的だと感じますね。そのほかのトラックパッドのジェスチャにも慣れていますし。

MF●業務で使っているソフトやサービスで、よく使うものはなんですか?

石野●社内のコミュニケーションツールは「ヤマー(Yammer)」です。それから各種申請には「クエステトラ(Questetra)」。これは社内の業務プロセスを可視化できるクラウドサービスで、出張に出たり外出したりしていても申請の作業が回るようにしています。

MF●勤怠管理や経費処理などの基幹システムにMacからアクセスできないという企業も多く、だからウィンドウズを使わざるを得ないという状況がありました。Sansanではその部分をどうクリアしているのでしょうか。

石野●会社設立当時からクラウドベースなので特に問題はありません。たとえば、勤怠管理だと「チームスピリット(TeamSpirit)」を使っています。また、「キントーン(kintone)」というサービスを使えば、顧客管理アプリやワークフローを簡単に自作できるので重宝しています。

 

 

 

社内連絡はヤマー

社内での連絡にはマイクロソフトのヤマー(https://www.microsoft.com/ja-jp/yammer/)を使用。ユーザごとに専用のフィードがあって、投稿や返信、「いいね」などコミュニケーションが取れます。メンバーを限定したグループが作成できるのも便利。

 

 

 

チームスピリットで勤怠管理

チームスピリット(http://www.teamspirit.co.jp)は勤怠管理や就業管理、経費精算、プロジェクト原価管理など承認申請を伴う事務作業をクラウドで一体化したサービスです。

 

 

 

クエステトラは経費精算・各種申請に使用

経費精算や各種申請にはクラウドサービスのクエステトラ(http://www.questetra.com/ja/)を使っています。業務の流れが可視化でき、無駄な作業がなくなるそう。iPhoneにも対応しており、外出先での作業も簡単。

 

 

無駄な作業を極力なくす

MF●では、ウィンドウズがなくて困るということはもうありませんか?

石野●不便は感じませんね。あるとすれば、ウィンドウズに最適化されたCSVが文字化けしてしまうことくらいですが、それもスプレッドシートにインポートすれば直してくれますし、ほとんど困りません。先ほど言った画面の切り替えやトラックパッドでの操作など、圧倒的にMacのほうが直感的で使いやすいです。Macだと「オートメータ(Automator)」を使って、いろいろな操作を自動化することもできますし。

MF●たとえばどんな?

石野●自社名刺管理システム内を任意のキーワードで検索できる設定を作りました。たとえば「Sansan」という単語で自社システム内を検索したいときに、いちいちコピーして検索ボックスにペーストし、検索をクリックするのは無駄じゃないですか。そこで僕は特定のキーを「自社システム内の検索」に割り当てていて、押すだけで検索できるようにしています。あまりにも便利なので、上司も使っています(笑)。このスクリプトは誰でも作れるくらい簡単なのがいいですね。

MF●それはウィンドウズではできないのでしょうか。

石野●うーん、難しいんじゃないでしょうか。一度、グーグル・クロームの拡張キーコンフィグを入れて、ショートカットでブックマークレットを表示させてみたことがあったのですが、それだとブラウザ上でしか使えません。オートメータならMac上のどこでも動作しますから。

MF●ほかにも効率を高めるツールはありますか?

石野●「ベタータッチツール(BetterTouchTool)」も便利に使っています。たとえばウインドウを寄せるだけで右半分に表示するといった使い方ができます。ウィンドウズには元からある便利な機能なのですが、これがMacでできるのはいいですね。MacBookを大きなディスプレイにつないで仕事することもあるので、そういうときは画面を4つに分けて作業しています。

MF●作業の効率化へのこだわりがすごいですね。

石野●社内の生産性向上が僕のミッションですから。自分自身でそれを行っていないと何も始まりません。もともと面倒臭がりな性格というのもありますが(笑)。それに弊社のサービス自体もユーザの生産性をいかに高められるかにフォーカスしています。ですから効率化を進められるという点で、MacBookを選ぶのはとても自然なことなんです。

 

 

 

便利機能をオートメータで自作

OS X標準のソフト「オートメータ」は、自動化のレシピを作り作業を効率化できるツール。複数のファイル名を一括変換したり、画像をリサイズしたりといった面倒な作業がワンクリックで行えます。

 

 

 

ベタータッチツールで効率化

定番ソフトのベタータッチツール(http://www.better touchtool.net)。ウインドウを左右に寄せて画面を自動分割してくれる機能をはじめ、トラックパッドにジェスチャアクションを追加したりキーボードにショートカットを割り当てたりと、さまざまな拡張機能が行えます。

 

 

 

社内にはリラックススペースも

社内にはリラックススペースがあり、休憩やランチのほか、仕事にも使えます。ハンモックでゆったりと仕事ができるのはMacBookの機動力あってこそ。会議スペースの上にはロフトが設けられており、ここで寝転んで仕事をする人もいるのだとか。