MacBook活用の極意❹【株式会社 Nagisa】|MacFan

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働く人のMacBook活用術3

MacBook活用の極意❹【株式会社 Nagisa】

文●山田井ユウキ写真●黒田彰

スタートアップ企業ではMacを利用する人が多くいます。MacBookをどのように使い、仕事の生産性や効率性を高めているのでしょうか。

 

 

株式会社 Nagisa

2010年設立したNagisa。スマートフォンアプリの開発を主に行っており、カメラアプリやゲーム、マンガ、ファッションメディアなど、ジャンルは多岐にわたります。古川さんが手がけた「SLIDE MOVIES」(図上)は、スマートフォンで撮影した写真や動画に音楽をつけて簡単にオシャレな動画を作ることができるアプリ。古川さんはこのほかにもさまざまな写真・動画アプリの制作に携わっています。
【URL】http://nagisa-inc.jp

 

 

古川巧さん Takumi Furukawa

ビジネスSNS「WANTEDLY」でNagisaの横山佳幸社長と知り合い、デバッガーとして入社。その後ディレクターとしてアプリ制作に携わるようになり、現在は動画事業部責任者を務める。代表作は「SLIDE MOVIES」「GOODTIME」「Sea Camera」など。

 

 

根っからのMacユーザ

MF●まずは古川さんの現在のお仕事について教えてください。

古川●アプリ制作のディレクターをしています。企画を立ててデザインを作り、エンジニアに渡すという仕事です。全体の統括ですね。

MF●これまでにどんなアプリを手がけられたのでしょう。

古川●「SLIDE MOVIES」や「GOODTIME」「Sea Camera」といった動画・写真系のアプリが多いですね。

MF●MacBookエアは会社支給ですか?

古川●そうですね。ただ昔からMacユーザでした。両親がともにMacを使っていたので、むしろMacしか使えなかったんです(笑)。Nagisaではほとんどの人間がMacを使っているので、そういう意味では職場にもスムースに馴染めました。

MF●Nagisaにはどのような経緯で?

古川●「WANTEDLY」というビジネスSNSでNagisaの横山佳幸社長と出会ったのがきっかけでした。当時のNagisaはエンジニアしか採用していなかったのですが、僕がそのときプレゼンしたアプリを面白がってもらって、インターンとして入社したんです。最初はデバッガーでしたが、3日後にディレクターになりました(笑)。大学卒業後に新卒入社して、今に至っています。

MF●面白い経歴ですね。ちなみにNagisa社内のMac比率はどれくらいなのでしょう。

古川●社内にあるマシンは9割以上がMacなんですよ。

MF●9割ですか! 

古川●弊社ではiPhone、アンドロイドの両方に向けてアプリを開発していますが、ユーザの比率としては9対1くらいでiPhoneのほうが多いのです。そうすると、エンジニアは「Xcode」が使えるMacを選ぶことになりますからね。

MF●古川さんにとってMac Bookの魅力は?

古川●見た目がかっこいいですよね(笑)。シンプルだし、使いやすいところが気に入っています。

 

 

エンジニアの必携ツール

XcodeはOS X、またはiOS用のアプリを開発する際に使用するアップルの統合開発環境で、iPhoneアプリの開発には必須。主にエンジニアが使うソフトですが、ディレクターである古川さんも確認のために使用するといいます。

 

 

 

社内マシンの9割以上がMac

Nagisaの社内マシンの9割以上をMacが占めています。基幹システムにクラウドサービスを使っていること、運営するアプリのユーザのほとんどがiPhoneであることなどから、あえてウィンドウズを使う必要は感じないそうです。

 

 

基幹システムはクラウド運用

MF●仕事でウィンドウズでないと困ることはありませんか?

古川●業務では特にありません。仕事と趣味を兼ねて動画配信をしたりするのですが、そのときにWEBカメラとデスクトップの画面を両方取り込むのに必要なツールがMacには少ないことくらいでしょうか。でも、これはほとんど趣味に近くて業務に必ずしも必要なことではありません(笑)。

MF●勤怠など基幹となるシステムをウィンドウズで組んでいる会社も多いと思いますが、Nagisaではいかがでしょう。

古川●Nagisaではそのあたりのシステムにはクラウドサービスを使っているので、OSの縛りはありません。たとえば勤怠でしたら「JOBCAN」というサービスを使っていますね。休暇申請などもここからすべて行えます。

 

 

勤怠管理はクラウドで

JOBCAN(http://job can.ne.jp)はDonutsが提供する勤怠管理・シフト管理サービス。ICカードや指静脈、モバイルGPSなどを用いた打刻が可能で、従来のタイムカードでの勤怠管理に比べてコストを削減できます。現在4000社以上が導入。

 

 

自社開発のプラグイン

MF●なるほど。ほかにお仕事で使われているアプリやサービスについて紹介してもらえますか。

古川●いろいろありますが、社内の連絡やコミュニケーションに欠かせないのがチャットツールの「スラック(Slack)」です。画像をドラッグ&ドロップで簡単に送信できたり、プログラムのコードをそのまま送れたりするので、エンジニアにとって非常に使いやすいのです。弊社では特にエンジニアの作業を効率化することを重視していますから、このスラックを全社で導入しています。拡張性が高く、各種プラグインと組み合わせることで、さらに便利に使うことができるのも魅力です。

MF●どういったことが可能になるのでしょうか。

古川●たとえば、自分たちがリリースしたアプリがアップストアのランキングで何位なのか、常に知っておく必要があります。しかし、いちいちアップストアを開いてランキングをチェックして…という作業は面倒ですよね。そこで、僕たちはアップストアのランキングをスラック内で見ることのできるプラグインを開発しました。これならスラック内に現在の順位を表示できます。また、順位の変動だけでなく、ユーザの課金率や、リリース後の継続率などを細かく見ています。これにはグーグル・アナリティクス(Google Analytics)とパーティトラック(PartyTrack)というサービスを使います。それぞれをスラックと連係できるようにしてあるのです。

MF●スラックだけで仕事が完結できそうな勢いですが、ほかにはどんなソフトをお使いですか?

古川●そうですね、プレゼンにはパワーポイントを使います。キーノートを使う社員もいますが、僕はパワーポイントのほうが好きですね。それから、アプリのデザインを制作できる「スケッチ(Sketch)」というツールも便利です。これはデザイナーが導入していて、僕も確認作業のために入れています。ちなみにこれもスラックと連係できるんですよ。それと「スキッチ(Skitch)」も便利です。これは画像やPDFに矢印やコメントなどをつけられるアプリで、修正を指示したりするのに使います。エンジニアではないのですが、一応Xcodeも使います。

 

 

さまざまな情報をSlackで確認

2014年に米国で開発されたチームコミュニケーションサービスのスラック(https://slack.com)。チャット機能に加えて、ほかのサービスとの連係が豊富に用意されています。

 

 

 

アプリ制作の便利ツール❶

アプリのインターフェイスをデザインするためスケッチ。シンプルで動作が速く、Nagisaではデザイナー業務に使用されています。

 

 

Sketch 3

【開発】Bohemian Coding
【価格】1万1800円
【カテゴリ】Macアップストア>グラフィック&デザイン

 

 

 

アプリ制作の便利ツール❷

画像やPDFに矢印や図形、注釈などを簡単に付けられるスキッチも使います。

 

 

Skitch

【開発】Skitch Inc.
【価格】無料
【カテゴリ】Macアップストア>仕事効率化

 

 

 

 

プレゼンにはパワーポイント

マイクロソフト・オフィスのプレゼンテーションソフト。Mac用に2016年版が登場したばかり。Nagisaではキーノート派もいますが、古川さんは昔から使い慣れているという理由でパワーポイントを愛用。アイデアを思いついたら、すぐにパワーポイントで資料を作成するそうです。

 

 

自由な場所で自由な発想を

MF●デザインもコードも見る必要があるのは、ディレクターという職業柄ですね。古川さんの一日の流れを教えていただけますか?

古川●朝は10時頃に出社して、まずレッドブルを飲みます(笑)。その後その日のスケジュールを確認したら、収益管理やメールの返信などを午前中に終わらせて、ランチしてからは資料を作ったり、開発中のアプリの進捗確認などを行います。夜は日によりますが、サービス公開直前は深夜までかかることもありますね。

MF●外出はされますか?

古川●2週間に一度くらいは打ち合わせで外出することもありますが、基本は社内です。外出するときも、このMacBookエアを持ち歩いています。クラッチバッグに入れてサッと。

MF●デスク以外でも仕事を?

古川●むしろデスク以外が多いです。ソファに寝そべりながら仕事したり(笑)。簡単に持ち運べてすぐに作業ができる、生産性の面から考えてもMacBookエアはとてもいいですよね。

 

 

社内外で発揮されるモビリティ

古川さんは社内でも自分のデスクに留まることは少なく、MacBookエアを持って自由に仕事をしています。ときにはソファに寝転がって作業し、そのまま仮眠をとることも…。Nagisaではシエスタを導入しており、毎日15~30分程度の昼寝を自由にとれるそう。リラックスしながらも、思いついたアイデアはすぐにMacBookエアかiPhoneでメモ。このスピード感がNagisa流です。