アイキューラボの丸山社長を訪ねる|MacFan

アラカルト アップルのミカタ

"魅せる”iPhone アイテムを名古屋から全国に発信

アイキューラボの丸山社長を訪ねる

文●栗原亮

なぜ、アップルのミカタをするのか? アップル製品を手厚くサポートするハード&ソフトウェアメーカーの担当さんに、その理由を聞いてみた!

 

丸山和之(まるやま・かずゆき)

株式会社アイキューラボ、株式会社アルファポイント代表取締役。名古屋地区を中心にiPhoneアクセサリ販売からイベント運営、広告代理、ITソリューション、旅行代理業務など多数を手掛ける実業家。

 

名古屋屈指の商業地区である大須は、かつては電気街、現在はサブカルチャーの聖地としても知られる若者の街である。その大須でiPhone・スマートフォンのアクセサリを扱うブランドショップ3店舗を経営するのがアイキューラボの代表取締役・丸山和之氏だ。

現在、名古屋を中心にさまざまなビジネスを手広く展開している丸山さんがスマートフォンビジネスを開始したのは2010年のことだが、その原点となる株式会社アルファポイントを設立したのは1984年、Macintoshが登場した年と同じだ。

「僕たちの年代では学生ツアーというのが当時流行っていましてね。いわばイベントサークルの走りのようなものです。スキーツアーやパーティを企画・運営していくうちに、スタッフも多かったので次第にコンサートやイベントの運営管理なども手がけるようになりました。そこで就職もせずに、大学在学中に起業することになりました。就職課からは怒られましたけどね」

学生起業家としてイベント業や人材派遣業を本格的にスタートしたのち、丸山さんはMacと出会うことになる。

「企画書やパンフ作りのために最初に導入したのはLC630で、プリンタと一緒にリースしました。その代金がむちゃくちゃ高かった記憶があります(笑)。でも、イベント業界にはデザインのスタッフもいるので、Macが多かったのを覚えています。何よりかっこよくクールなイメージが大切でしたので、パイオニアの互換機まで買ってしまいました」

なんと、今では伝説となったバンダイとアップルコンピュータ(現アップル社)の共同開発によるゲーム機「ピピンアットマーク」の名古屋地区のプロモーションも手がけたという。

 

 

 

その後、ウィンドウズ95のプロモーションなどを行った関係からMacとは距離ができたが、デジタル関係のプロモーションに強い会社という評判が高まり、NTTドコモの携帯電話「ムーバ(Mova)」の充電端子に差し込むと自動でWEBサイトに接続するサイトスティックなどの販売を行っていた。スマートフォン全盛時代になった現在は、「おサイフケータイ」のフェリカリーダと同じ機能をiOSデバイスでも実現するために、超音波通信を用いたASPサービス「サイトスタンパーAir」の開発を進めている。

「我々はもともとイベントを行う会社ですが、それと同時にモノを作るメーカーでもあり、ディストリビュータであり、リテールストアでもありたいと思っています。iPhoneが登場してからはその思いを強くしまして、例えばどこにも売っていないようなケースでiPhoneをもっとクールにしたり、足りない機能があればよい技術を探してきてアプリを提供したいと考えています」

そうした流れの中で設立したアイキューラボは、「iPhoneでクオリティのあるモノ」を扱い、普通に売られているものだけでなく自分たちでも新しい製品を作り出していこうという意味で「ラボ」と名付けたという。

 

ケース販売は名古屋の流行発信地である大須で行うことを決め、最初に取り扱いを始めたのは三重県亀山に本拠地を置く「ギルドデザイン」によるアルミ削り出しの高品位なiPhoneケースで、取り扱いブランドを増やした現在はバリスティックの耐衝撃ケースなど個性ある7ブランドのスマートフォンアクセサリを取り扱っている。

「大須という地域はさまざまな客層が集まりますので、各ショップの性格付けは変えています。アイキューラボはギルドデザインのオフィシャルショップという位置づけで、名古屋では取り扱いの少ないアルミケースを中心に販売しています。実際に手にして装着感を確認したいというお客さんが多く、関西地区から訪れる人もいます。男性の割合が多いですね。モディクルー(modcrew)は、よりポップでカジュアルな製品が中心でケースプレイコーナーでは防水ケースや耐衝撃ケースなどのこだわりアイテムを扱ったり、iPhoneリペアコーナーや防水(生活防水)加工サービスのようなカスタマイズも行っています。ギズモショップ(GIZMOBIES)はアート性を重視したアイテム中心なので女子高生とか若者が多く訪れますね」

MacからiPhoneへ、時代の流れに合わせてビジネスのスタイルを大きく変えてきた丸山氏だが、アップルに対するイメージや期待は一貫しているという。

「アクセサリやリペアもそうですが、大きな意味でデジタルの市場を築き上げたアップルは、今のところ僕にとってなくてはならない存在ですし、これからの進化にもおおいに期待するところです。もともと、アップルの“クール”なところに憧れてきましたし、今でもアップル製品は1ユーザとして欲しくなるアイテムです。それをさらに魅力的に見せるためのビジネスを、これからも続けていきたいと思っています」

 

 

 

iPhone 6対応の耐衝撃・防塵ジャケット

 

アイキューラボでは、タフなスマートフォンケースで知られるBALLISTICブランドを取り扱っている。写真は4層構造で7フィート(約2.1メートル)からの落下衝撃に耐える「TOUCH JACKET MAXX」シリーズ(右)と、3層構造で6フィート(約1.8メートル)対応の「TOUCH JACKET」シリーズ(左)。衝撃吸収という実用性とデザイン性を両立させた製品だ。【URL】http://www.ballistic.jp

 

ライトニングとマイクロUSBのケーブルが内蔵されたYe!!のエクストラバッテリ「ENERGY duo」。ラバー製のカバーや本体を振るとバッテリ残量が確認できるなどのユニークな機構を備える。

 

iPhoneを電子マネー端末にできる!

 

丸山さんの経営するアルファポイントでは、超音波を利用した独自の通信方式「Air」搭載のフェリカリーダーライタ「SiteStamper Air」を販売している。POSシステムでiPhoneでもAndroid端末でもセキュアな電子マネー決済が可能になるという仕組みだ。SDKも提供しており、専用アプリの開発も可能だ。今後はiBeaconの内蔵も検討しているとのことだ。

 

丸山社長の鞄の中!

 

❶「ガジェット大好き」という丸山さんの大きなカバンには、常にさまざまな最新アイテムやユニークなグッズが詰まっている。ヘッドフォンはダイヤモンドカットデザインが印象的なMONSTERの「DIAMOND TEARS EDGE」、カメラはカシオのセパレート型アクションカムの新製品「EX-FR10」だ。

 

❷仕事柄、スマートフォンはiPhone 5sとXperiaの2台持ち。どちらもゴールド仕様で統一されている。普段持ち歩いているライトニングケーブルもゴールドのコネクタでアクセントを効かせている。

 

❸タブレットもSurfaceとiPad Airセルラー版の2台持ち。スケジュール管理や出張中などで文字入力をしなければならないときはバッテリ持ちがよく物理キーボード付きのSurface、ニュースやメールチェックなどはどこでも通信できるiPadというように使い分けているそうだ。

 

❹おそらくこれを持ち歩いているのは丸山さんくらいだろうと思わせるのが、独自開発のiPhone液晶パネルテスター。iPhone 5sの前面パネルを分解してコネクタを接続し、液晶の動作やピクセル欠けがないかどうかをチェックできる。

 

【取材後記】
iPhoneケースのオンデマンドプリンティングサービスも行っており、企業のイベントケースや、中日ドラゴンズの選手情報をプリントしたケースも販売しているという。また、イベント業務と関連して劇団のノベルティグッズも制作しているとのことだ。

 

【取材後記】
iPhone修理の適正化を進めるために、丸山氏は同業者と協力してスマートフォンリペア協会の設立に奔走中とのことだ。検査体制も含め、安心して修理を依頼できるリペアショップが増えれば一般消費者にとってもメリットは大きいだろう。