野呂エイシロウの「ケチの美学」第62回|MacFan

アラカルト ケチの美学

野呂エイシロウの「ケチの美学」第62回

文●野呂エイシロウ

人気放送作家が語るケチとアップルの交差点。

「1分単位」で生きていく

54歳のボクにとって、「1時間」は一瞬で過ぎ去る。最近はそんなことを考えながら、日々生きている。

思い返せば、子どもの頃はたった45分の授業が長くて仕方がなかった。永遠にも思える退屈な時間だった。きっと皆さんだって、そう感じていたに違いない。

だが、歳を重ねるにつれて、45分なんてあっという間に過ぎるようになった。それどころか、1日、1週間、1カ月だって一瞬で終わってしまう。おそらく同じ45分の授業時間でも、子どもの頃のボクと先生が体感していた時間の長さは、まったく違ったものだったのだろう。

ケチなボクは今、1時間という時間を、60分割して、1分単位で考えるようにしている。たとえば、会議はとにかく1分でも短くすることに努力している。

以前、仕事の先輩にこう言われたことがある。仕事は1分でも短く終わらせるようにしなさい、と。1時間掛かる仕事を6分短く終わらせると、10%のコスト削減になる、と教えてくれた。当時「なるほど」と感心したことを、今でも覚えている。

仕事環境が変わった今だってそうだ。1分あれば、結構な量のチャットに返信することができる。メールだって、1分あればボクなら2通は送信できる。1分という時間を意識しながら作業することが、とても大切だ。とにかく、仕事は1分単位で進めたほうがいい。

もちろん仕事だけじゃない。1分あれば、ゴルフボールを2球ほど打つことができる。実はゴルフも時間との勝負である。スロープレイはNG。できる限り早くスムースに進めること大切だ。

そう、人生とはまさに「タイムイズマネー」なのだ。1分を大切にすると、収入だって変わってくるだろう。ボクのようなフリーランスは特にそうだ。

メール1通が、チャット1通がお金を生むのがフリーランスである。ボクが考える「ケチの美学」とは、1分というわずかな時間をどれだけ大切にできるか、ということだ。

仕事中の1分、移動中の1分、食事中の1分…。生活の中にあるちょっとした1分が、人生を大きく左右する。これが発展し、秒単位で時間を大切にできるようになったとき、ボクの人生はさらに大きく変わるだろう。

現役でバリバリ仕事ができるのも、あとわずかである。時間をケチケチしながら、ボクなりの美学を磨き続けようと思う。

 

西村博之(ひろゆき)さんとのラジオの本番中。1秒が長く感じる貴重な時間だ。

 

 

EishiroNoro

放送作家、戦略的PRコンサルタント。毎日オールナイトニッポンを朝5時まで聴き、テレビの見過ぎで受験失敗し、人生いろいろあって放送作家に。「元気が出るテレビ」「鉄腕DASH」「NHK紅白歌合戦」「アンビリバボー」などを構成。テレビ番組も、CMやPRをヒットさせることも一緒。放送作家はヒットするためのコンサルタント業だ!と、戦略的PRコンサルタントに。偉そうなことを言った割には、『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』(講談社)『プレスリリースはラブレター』(万来舎)が、ミリオンセラーにならず悩み中。