【第4回】音楽学校へ 恐怖のオーケストラ | マイナビブックス

100冊以上のマイナビ電子書籍が会員登録で試し読みできる

就活すごろく、上がりはイタリア 上

【第4回】音楽学校へ 恐怖のオーケストラ

2015.10.22 | 吉原みどり

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

音楽学校へ 恐怖のオーケストラ


新学期、いよいよ音楽家になれる! 張切った。一時間目の授業はソルフェージュ。こんな言葉は初耳である。練習曲を歌うことだそう。真っ先に「ハイ、貴女」とさされ、狼狽ろうばいした私は蚊のなくような声で「あの、風邪ひいているんです」と言った。威風堂々の伊藤花子先生がこともなげにおっしゃる。「かぜ? あー声なんてどうでも良いの。はい歌って」その他にも旋律や和声の書取りあり。音というのは出したとたん、良し悪しがバレるのである。これは、とんでもない所に来てしまったと恐れをなしたが、弦楽科新入生が入るオーケストラの方はそれどころではなかったのである。指揮者である斎藤秀雄先生の、生徒に対するその真剣さと厳しさといったら……。難しい個所は皆の前で二人ずつ弾かされる。

続きをご覧いただくには、会員登録の上、ログインが必要です。
すでにマイナビブックスにて会員登録がお済みの方は下記の「ログイン」ボタンからログインページへお進みください。

  • 会員登録
  • ログイン