【第14回】山で会い、山に還る ― 近づく老境 | マイナビブックス

100冊以上のマイナビ電子書籍が会員登録で試し読みできる

愛犬との出会いと、別れ 上巻

【第14回】山で会い、山に還る ― 近づく老境

2015.11.26 | 久根淑江

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

近づく老境

 

 小さな灯が私の心の中に点ってから十数年が経った。

 朝夕、ハチと走ったり、歩いたりするだけで、その日は充実した。それは、いつまでも続くかのようだった。

 早朝に初冠雪の富士山に出合いハチと佇み、やがて冬だと思ったこともある。富士は東京からよりも大きく、丘からの眺めはより荘重であった。深く真っ白い富士、夕日に黒々と映える富士、それらはハチと走らなかった時期にはなかった大きな恵みであった。

続きをご覧いただくには、会員登録の上、ログインが必要です。
すでにマイナビブックスにて会員登録がお済みの方は下記の「ログイン」ボタンからログインページへお進みください。

  • 会員登録
  • ログイン