2018.03.09
動画マーケティングのPDCAを身につける 回し方に困ったら、ここからはじめよ!
動画マーケティングを実践! でも…どこからどう手をつけて、自社ビジネスにつなげればいいのか? 動画マーケティング初心者や、壁にぶつかってうまく前進できない動画マーケ離脱予備軍ほど必読。ここだけわかれば、動画施策の価値が上がる!
目指せ!「5年週1本」の投稿。継続的に貫けますか?
ここからは、自社ビジネスを飛躍させるために「動画」を導入すると決めた場合の、最適なPDCAサイクルについて考える。はじめに村岡雄史さんからは、PDCAサイクルに入る前の心構えこそが何よりも大切、との指摘があった。
「動画を導入する目的の多くは、集客(認知拡大)を狙っての展開でしょう。短期的に成果を求めず、中長期的に時間をかけて動画施策を成功へと導くことを想定して、取り組んでほしいですね」
初心者が「集客」のための「成果」を得るために、どういう心構えが必要なのか。その心構えがあってこそ、動画で具体的に何を表現し、どのようにつくったり、どう効果測定して改善に結びつけていくか、というPDCAにつながる。
村岡さんはズバリ、長期的かつ継続的な運営の覚悟を持て、と説く。
「“5年間継続して、週1本”の動画投稿を欠かさない、はどうでしょうか。毎日は厳しいにしても、一定のペース、そつなく更新を続けられるペースで動画コンテンツを提供することが、取り組む以上、貫いてほしい投稿ペースです」
“動画をやれば何とかなるかも”と考えていた読者には、村岡さんの意見に高いハードルを感じるだろう。しかし、継続的、定期的な動画コンテンツの提供なくして、動画をマーケティングに活かして成果を引き出す見込みはない。
「やり始めてみると突き当たるのが、なかなかユーザーに見てもらえない、という現実です。公開を始めた当初は、おそらく多くの方が直面していると思います。最初は一部の関係者以外、投稿した動画のことも、投稿主のことも、まだ誰も知らない状態です。フォロワーもファンもない、まったくの空手の状態ですから、例外的なコンテンツでなければ再生回数は伸びてこないでしょう」
要は、この現実に直面するところからが、本当の動画PDCAサイクルがスタートすると村岡さんは考えている。
「やり抜くことを課してほしいですね。その分、定期的な投稿を通じて動画にまつわる知見が確実に貯まっていきます」
配信場所を一本化。資源を集中させて地盤づくりを!
自社が動画マーケティングをやり抜く覚悟を決めたのなら、「やり続けるための工夫」も必要となる。P(プラン)を考える時の出発点にしていい。
「続けることがつらくなるハードルは避けましょう。投稿は週2回とせず、週1回、10日に1回など、負担感の少ない状態を保つのが賢明な選択です。避けてほしいのは、一定期間継続してやりながら、息切れして途中でやらなくなること。継続性が持続できないと、それまでの投資が他で活かせるわけでもなく、止めた時点ですべて無駄になるからです」
さらに村岡さんは、具体的な取り組み方として、分野やテーマを絞って自社ならではの専門性を高める切り口について考えるといい、とした。
「お役立ちコンテンツを用意するのはオーソドックスなアプローチですが、常に“その切り口でずっと続けていけるのか?”を意識して選んでほしいです。定期的に用意すればいいだけではなく、テーマの一貫性がなければ、たまたま相性のいい動画一本が気に入られて終わるだけ。チャネル、アカウントそのものを気に入ってもらう工夫が必要です」
あわせて考えたいのが、動画をどこで公開するかだ。広がりの見込みを考えると、自社サイトでの公開は見合わせて、分散型メディア(各種SNS)での公開を考えたい。村岡さんは、継続性にフォーカスした決め方も一案だ、と提案する。
「自らのビジネス層と、選んだメディアの特性があまりにかけ離れていれば別ですが、自分が慣れ親しんだメディアを選ぶといった決め方でも構わないでしょう」
ここでも継続性の担保が鍵になる。
「しっくりくるメディアで続ける方が続けやすいからです。後は、仮にYouTubeと決めたなら、YouTubeで一本化することを勧めます」
限られた予算や時間の中で、さらに継続性を保つために、「資源」は集中させること。一本化した配信場所を「より強く」するのが現実的だろう。
再生回数が伸びない? くじけずに、打開策を立てよう
C(Check)については、再生回数をはじめ、ユーザーの直接的なアクションと関わる指標が、運用上の目安になる。
ここからは、肝心の再生回数が伸びない場合の打開策について考えたい。最初の数回だけでなく、1カ月、2カ月と続けても低調が続く場合は、テコ入れを図りたいところ。まずは取り組み方について疑問を持つことから始めてみよう。
「公開中のコンテンツが、配信する側の都合に寄っている可能性があります。視聴するユーザー(配信される側)の立場で有益なコンテンツ、見たくなるコンテンツになっているかどうか。配信側の都合が強いとなれば、変えられる部分から変えてみましょう」
並行して見直すべきは、中身や長さ、見落としていた技術的な不備について確認すること。次に、具体的な改善策について、村岡さんが3つのアドバイスを語ってくれた。