2018.03.07
SNS動画広告の活用法 少額投資でも勝てる
●●動画広告の仕様と使いこなし術●●→ここを入れないとトップ画面にテキストが表示されないので編集部で指定をお願いします。
【Point 01】意外と手軽に始められる動画広告
広告は大企業が行うものというイメージがあるかもしれませんが、少額からでも始めることができます。動画広告を施策の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
定番となりつつある動画広告
「これからは動画が来る」と以前より言われてきましたが、最近になって本格的に広告において動画が一般的なフォーマットとなってきました。アライドアーキテクツでは代理店としてSNS広告の制作・運用を支援していますが、実際に企業から「動画広告を出稿したい」という相談は増えており、YouTuberを起用した動画制作・広告配信を手がける機会も増えています。競合他社が始めたことをきっかけに、検討したいという問い合わせも多いです。
従来の広告では、1枚の静止画で商品やサービスの良さを訴求する必要がありましたが、動画広告を活用することでより多くの情報を伝えることができます。ユーザーのニーズが多様化している昨今、商品の差別化や使い方などを紹介できる動画広告の反応はよいのです。
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2017年度の動画広告市場は、前年の842億円から1,374億円へと成長した。今後も増加傾向にあり、2023年には3,485億円になると予測されている(サイバーエージェント オンラインビデオ総研/デジタルインファクト調べ)
動画広告は身近な手段
個人事業主や中小企業の方は、動画広告を配信するハードルが高いと感じるかもしれませんが、数千円、数万円と、少額から出稿が可能です。配信する動画は、普段投稿しているコンテンツを流用し、手軽に始めることができます。また、SNSは成果が見えづらいと言われますが、広告出稿によって手応えを数値で確かめられるというメリットもあります。
【Point 02】どのSNSで動画広告を出稿すべきか?
本章ではFacebook、Instagram、Twitter、YouTubeでの動画広告について紹介していきます。うまく活用するために、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
SNSごとのユーザー層を知っておこう
最近はスマホの浸透で幅広い層がSNSを利用するようになっているものの、媒体ごとに利用者属性の違いがあります。たとえばFacebookは国内の利用者数が約2,700万人で、利用者の年齢層が比較的高めです。そのため、投稿やシェアされる情報は、ビジネス関連のものが多い傾向にあります。Instagramの利用者数は約2,000万人で、10~30代の若い女性が多く、コスメや美容、食などの情報を取得する傾向があります。そしてTwitterの利用者数は約4,000万人で、Facebookと比較すると若年層が多く、匿名利用もできるため複数アカウントを持っている人も多数います。YouTubeは世代を問わず幅広く利用されており、国民全体の約7割が使用していると言われています。人気YouTuberの番組やさまざまな動画コンテンツをじっくり見る目的で利用される傾向があります。
動画広告の出稿媒体を考える際には、まず自社のターゲットユーザーがどんな趣味嗜好を持ち、どういう目的でどの媒体を見ているかを考慮し、選定するとよいでしょう。
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Facebookは20~40代が中心で、他のSNSと比べて40~50代の利用率が高い。Instagramは20代前後が多く、Twitterは10~20代が多い。YouTubeは10代から年配層まで幅広い世代に利用されている(総務省情報通信政策研究所/平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書調べ)
SNSごとの単価と課金方法
SNSごとに予算はどの程度違ってくるのかも気になるところでしょう。アライドアーキテクツが手がける案件では、運用手数料込みでFacebookとInstagram(同一企業が運営していて広告は共通のサービスのため)の再生単価は3~4円ほど。Twitterは少し再生単価が安く、運用手数料込みで平均2~3円。YouTubeは、再生単価10円程度になることが多いです。こうした再生単価を参考に、再生目標回数をかけたものが出稿費用となります。再生目標回数は、自社の予算に応じて決めていきます。
もし動画やテキストのパターンを変えて複数種類の広告を試し、どれが響くかを検証したいという場合は、ある程度の予算をかけて出稿した方がよいでしょう。表示回数が少ないと効果的な検証ができずに、その動画広告の何が良かったのか判断できないということになりかねません。
また、課金のタイミングもSNSごとに異なります。一般的に、Facebook・Instagramは3秒以上の再生、もしくは全体の97%以上が視聴されたときに1再生としてカウント。Twitterはタイムラインに50%以上の画面が表示された状態で2秒以上再生されたとき。YouTubeは、30秒以上(30秒未満の動画の場合は最後まで)の再生かクリック等のアクションがあったときといったようになっています。
課金にも種類があり、CPVと呼ばれる再生単価が最もオーソドックスな評価方法です。Facebook・Instagramでは最適化CPMと呼ばれる、広告主の動画をより再生してくれる可能性が高そうな人に表示し、その回数で課金するという独自の方法があります。アライドアーキテクツでも、Facebook・Instagramではその最適化CPMを利用し、再生回数を伸ばすという案件は多いです。
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動画広告の課金方法には4つの種類がある。目的によって最適な課金方法も違ってくる
【Point 03】FacebookとInstagramの動画広告の特徴
FacebookとInstagramは同一会社が運営するため、出稿システムも共通となります。ただ、対応している仕様は異なるので、各々の特徴を把握しておきましょう。
FacebookとInstagramの広告の違いを知る
初めてのSNS広告としてFacebookを活用するという企業は多いです。Facebookにオフィシャルアカウントを持っていて馴染みがあったり、実名制でターゲティング精度が高かったりすることなどが人気の理由でしょう。ユーザーがFacebookに登録している情報のみならず、Facebook上での行動に伴う情報はすべてターゲティングの材料になるので、その照合率は90%以上にもなると言われています。
また、今年1月にFacebookは、企業による投稿のフィードに表示される頻度が下がるようにアルゴリズムを変えたと発表しました。せっかく企業アカウントを運用していても、一般投稿では企業のメッセージが届きづらくなっているという状況でもあります。
Facebookへ出稿する場合は、特別なこだわりがない限り、Instagramと両方に出すことをおすすめします。というのもFacebookの広告出稿を最適化させる機能がとても優秀で、運用者が手動で調整するよりも広告の効率が良くなる傾向にあるからです。自動で「いまはこちらの方が入札単価が安い」というのを判断してFacebookかInstagramかに振り分け、広告のパフォーマンスを上げてくれます。
ただ、FacebookとInstagramで併用しての出稿を考える際には、それぞれにいくつかの広告の種類があり、表示可能なフォーマットが違う点に注意が必要です。たとえばフルスクリーン(画面比率9:16)の動画はInstagramのフィードには出稿できないというように、どこに表示させたいかによって用意する動画の形態が変わってきます。動画の時間数についても、Facebookでは240分まで、Instagramのフィードでは60秒まで、Instagram Storiesでは15秒までといったように変わってきます。
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動画広告に利用できる画面の縦横比率は5種類あり、それぞれ使える広告の種類が違ってくる
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FacebookとInstagramの中で表示させたい場所などを決めたうえで、動画の縦横比率や長さを決めるようにしよう
広告の関連度スコア
Facebook・Instagramでは、広告の裏側で「関連度スコア」という評価をつけています。その広告に対するユーザーの関心の高さを10段階で示したもので、数字が多いほど高くなります。このスコアは広告マネージャー画面から確認することが可能です。いいね!やコメント、シェアといったポジティブな反応が付くとエンゲージメント率が上がりスコアも上がる傾向にありますが、「この広告を非表示にする」などのアクションを起こされるとスコアが下がる可能性が高いです。もしネガティブなフィードバックがたくさん集まったら、他社と同じ入札額にも関わらず入札競争に勝てず、どんどんフィードに表示されづらくなってしまうということもあり得ます。そのため、賛否両論があるような動画広告は、Facebookでは関連度スコアが下がるリスクがあることも念頭に入れておきましょう。