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ストック動画サービスの賢い利用法 動画素材で困っても諦める必要なし!

キービジュアルとなる動画が欲しい! でも自分では撮影する技術も時間も予算もない…そうお嘆きのWeb担当者も多いはず。そんな時に役立つのが、ストック素材販売サイトだ。どのように利用するのが賢いのか、アマナイメージズで動画素材のプロデュースを担当する平山清道さんに話を聞いた。

納期、予算、クオリティ 限られた条件での最適解は?

Webサイト制作やプロモーションに動画を用いる例は増えてきた。自社内で動画撮影や編集のノウハウがある制作会社であればともかく、一般的には外部の動画制作会社などに依頼するのが一般的だろう。

しかしながら、予算や納期に余裕があるとは限らないのが世の常だ。仮に自分たちで撮影や編集ができたとしても、クオリティが思ったようなレベルに高まらなかったり、冬場に夏物商材のプロモーション映像をつくらなければならないなど、欲しい映像を撮影することすらできないこともある。運良く予算があったとしても想定以上に撮影や編集に時間を取ってしまって、本業がおろそかになってしまうなどということも…。

これが静止画の写真であれば、Webのフォトストックサービスやソフトウェアの素材集を利用することが考えられるが、動画の場合は一体どうなのだろうか。国内最大級のストック素材販売サイト「amanaimages.com 」を運営するアマナイメージズで動画素材のプロデュースを担当する平山清道さんに話を聞いた。

—御社は広告や放送・出版などハイエンド向けのフォトストックサービスのイメージが強いのですが、動画についてはいかがでしょうか?

平山清道さん 写真はもちろん、イラスト、動画、フォントなども多数取り揃えています。動画素材に関しては8年ほど前から取り扱いを開始しました。5年ほど前から本格的に動画のニーズが増えてきていて、成長率という意味ではとても伸びている分野です。

—動画の素材というのは一体どのくらいの本数がストックされているのでしょうか?

平山さん 動画のストックは現在約12万5000点以上、静止画なども含めると約8300万点以上あり、増え続けています。自社で撮影する場合と契約している映像作家さんが撮影する場合があるのですが、テーマはビジネスシーンや料理といった身近で使いやすいイメージから、日本や世界の風景など非常に多岐に渡っています。そのほか、地域性や季節感のある映像、例えばオーロラやダイヤモンド富士のような映像は誰でもすぐ撮れる映像ではないのでストック素材ならではの強みですね。

動画素材のラインアップも豊富
アマナイメージズは放送や広告、出版や教育分野で定評のあるストックフォトサービス。自社でビジュアル素材を用意できない場合やより高品位な素材を探している場合に役立つ。ロイヤリティフリーの動画素材が5,130円から利用できる。日本人のモデルを利用した動画素材など、使いやすいコンテンツが探しやすいのが特徴だ

—アマナイメージズならではの強い映像分野などはありますか。

平山さん 1つは「日本人」のイメージ動画が豊富に揃っているというのがあります。需要が高い人物映像の多くはモデルリリース (肖像権使用同意書)取得済みなので、多様なライフスタイルを表現したい場合などにお使いいただけると思います。また、4K、8K映像など大型のサイネージでも利用可能な高精細動画やドローンの空撮映像、多数ではありませんがVRコンテンツでも使える360度動画なども揃っているのは大きいかもしれません。いずれもテーマごとに特集ページがありますので、探しやすくなっていますよ。うまく目的の映像素材を見つけられない場合は、専門のリサーチャーに依頼するという方法もあります。

 

同一シーン・同一モデルの動画が検索できる

—やはり動画の需要は増えているのですね。Web制作の分野に絞って、もう少し詳しく教えてください。

平山さん 近年はWebメディアなどからのお問い合わせは増えています。ご利用されるお客様はWeb制作会社の場合もありますし、フリーのクリエイターの場合もありますが、用途はさまざまですね。例えば、会社案内を写真ではなくPVのようにつくりたいというニーズなどは増えてきていると思います。

同一シーン、同一モデルの動画を検索できる
動画素材はライセンス形式やカメラワークなどで検索できるほか、同じシーンの動画を検索したり、登場したモデルの別の出演作品を探せる。これにより、複数の素材を用いる場合でも映像の世界観を統一しやすいメリットがある

—Web制作の担当者がアマナイメージズの動画素材を選ぶ理由はズバリ何だと思いますか?

平山さん 素材の種類の豊富さというのもありますが…、動画を撮影した際に同時に静止画の写真の撮影を行うことが多く、その両方を提供しているのも選ばれる大きな理由だと思います。そうすることで、利用したい動画と同じシーンの写真が連動して探しやすくなるので、イメージのトンマナ(トーン&マナー)が揃えやすいというのもあります。また、同じモデルでも別のシチュエーションの動画を豊富に揃えてあることが多いので、ストック素材であってもワンパターンになりにくいというのも大きいのではないでしょうか。

—動画と写真の両方が探せるというのは大きな強みですね。Web用途でよく使われる素材の傾向はありますか?

平山さん 関連素材が探しやすいというのと関係していますが、バリエーションを作りやすいので短い動画を何種類も作って効果検証の比較や改善に用いられるというケースも多いようです。1本6、7秒くらいの短い動画で2、3秒の素材を組み合わせて使われるケースが多いです。一方で、サイネージなどディスプレイ用途ではドローン空撮や4Kといった尺(映像の長さ)を1分近くゆったりと見せるものもあります。

 

ストック素材を利用すれば撮り下ろし動画の予算の1/3に

—多くの担当者が気になる予算についてですが、外部の映像制作プロダクションに依頼した場合に比べて費用はどのくらい圧縮できるのでしょうか。

平山さん 例えば、長さが1分程度のプロモ映像を作成する場合を考えましょう。一般的な相場では、おそらく撮り下ろしで250万円を下ることはあまりないのではないかと思います。これをストックの映像素材を利用した場合、1カット3~5秒の映像を15カットほど利用し、これを元に編集作業を行えば予算規模としてはおよそ3分の1程度にまで圧縮することが可能です。もし、ストックでは賄えない部分をオリジナルで撮影してミックスした場合では半分程度の予算に収まるのではないかと思われます。

—動画素材の価格も決まっているので見積もりも行いやすいですね。

平山さん 商用利用の場合は用途に合わせて別途ライセンス価格が設定されていますが、基本的にロイヤリティーフリー素材の場合、ファイルのサイズによって3種類の定価が設定されています。4K映像など特殊なフォーマットに関しては、個別にご相談ください。

動画制作手法によるメリット・デメリット
同一の条件でWebプロモーションで利用する動画を制作しなくてはならなかった場合に、どのようなアプローチが効果的かを比較してみた。一定以上のクオリティを求められる場合は、ストック素材サービスの利用は合理性が高いと言えるだろう

—1点からの購入も可能でしょうか? また、自分の利用目的に最適なプランを探すにはどうすればよいのでしょうか。

平山さん Webで無料の会員登録をしていただければ、1点単位の購入ももちろん可能ですし、カンプ用途でのダウンロードも可能です。また、個人や法人に最適なプランを探している場合や、大規模利用については直接カスタマーサポートにお問い合わせいただければご案内できます。

—決済手段については?

平山さん 各種クレジットカードのほか、請求書決済にも対応しているので法人利用でも便利にお使いいただけます。

 

ロイヤリティフリーは著作権フリーではない

—動画素材を扱ううえでもう1つ気になるのは、写り込んだ被写体の肖像権など権利関係の処理ですね。利用する際はどこに気をつければよいですか。

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掲載号

Web Designing 2018年4月号

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とはいえ、動画制作といえば未だ「制作費が高い」「時間がかかる」「手間がかかる」というイメージが根強く残っています。
「集客やマーケティングに動画は必須だ!」それはわかっているけど、そんな簡単にできるもんじゃないよ・・・。

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