2018.03.05
動画マーケティング5つの新常識 頭を切り替えろ! こうすれば必ず勝てる
今、注目の動画マーケティング。しかし、「編集が大変そう」「お金も時間もない」「動画にするネタがない」などなど、やる前から諦めている人、やってみたはいいけれどすぐに諦めてしまった人、たくさんいるんじゃないでしょうか。実はいろいろあるマーケティング手法のなかでも、安価に、そして手軽に取り組むことができ、しかも大きな効果が見込めるのが動画だ、と主張する人がいます。本誌にたびたび登場し、中小企業や個人向けにマーケティングの秘術を教えてくれる“はちえん先生”こと、「(株)はちえん。」の坂田誠さんです。先生は「頭を切り替えれば、動画マーケティングは必ずうまくいく」と力を込めます。そこで本特集では、はちえん先生が唱える、「動画マーケティングを成功に導く5つの新常識」を誌上講義形式で徹底的に紹介することにしました。これまでマーケティングで苦心しているアナタ、心して読んでください!
イラスト:國廣稔 写真:藤代誉士
「動画は面倒」って思い込んでるでしょ?
もう何年も前から、動画を使ったマーケティング講座を開催してきましたが、最近は、「これからは動画マーケティングの時代だよ」といったような、前置きの話はもうしていないんです。だって、もう今では動画でマーケティングをするのが当たり前の時代になっていますから。それに「中小企の企業や店舗ほど動画マーケティングに取り組むべきだ」みたいな話もしていません。なぜなら、そんな説明をするまでもないような、説得力のある成功例がたくさん出てきているからなんです。
というわけで、本題に入る前に、上で紹介している「ぴあの屋ドットコム」さんの動画を見てください。ぴあの屋ドットコムは中古ピアノを扱っているお店で、登場するのは同社の石山雅雄社長です。7分ほどの動画ですから、ぜひ、最後まで見てみてください。
…さて、いかがでしょう。動画をご覧になって、どう思いました? 話がうまいなとか、ピアノが上手だなとか、いろんな感想があるんじゃないかと思うんですが、「素っ気ない動画だな~」と感じた方も多いんじゃないですかね。その気持ち、よくわかります。だって、動画のタイトルもなければテロップもない、編集をした痕跡がまるでないんですもんね。そう、この動画は本番一発撮り、なーんの手も加えていない、「撮りっぱなし動画」なんですよ。
タイトルもテロップもなくてもいいんです!
でもね、皆さん、ぴあの屋ドットコムさんは、こういった動画をつくり続けることで売上を数倍にも成長させたという、大きな成果をあげた企業なんです。実は、この動画の「中身」には、マーケティングに絶対に欠かせない要素がたっぷりと込められていて、それこそが同社の成功の秘訣と言えるんですが、その話はちょっと置いておくことにして、ここではまず「動画は編集しなくてもいい」ということを頭に叩き込んでほしいんです。
撮りっぱなし動画というと、次ページで紹介している和菓子の西尾両口屋さんがInstagramにアップしている動画もぜひ見てください。リンク先にはいくつもの動画がありますが、どれも数秒の動画です。これもお客さんを上手に引きつけている、撮りっぱなし動画の一例です。
どうです? 「これならできそうだ」と感じた方も多いんじゃないでしょうか? 「動画は面倒」などという固定観念は、ここでサッパリ捨てて、まずは1つめの新常識を覚えましょう。
「動画は撮りっぱなしでOK!」
実は動画マーケティングは、苦労なしに始められる、お気軽マーケティングでもあるんですよ。
動画マーケティングは100円から始められる!
動画は撮りっぱなしでいいんだ、と決めてしまうと、いいことがたくさんあるんです。まず、お金がかからなくなること。撮影はスマホで十分ですから手持ちのものを利用すればいいですし、撮った動画をYouTubeやSNSにアップする際にも、特にお金はかかりませんからね。かかると言えば…そう、撮影の際にスマホを固定する三脚くらいはあったほうが便利かもしれません。とはいえそれだって、100円ショップで手に入ったりします。というわけで動画マーケティングは100円から始められるというわけなんです。
じゃあ、お金がかからないぶん手間がかかるのかというと、そうではありません。ここまでに紹介した2件の動画を見れば、特別な手間がかかっていないことはおわかりでしょう。
ぴあの屋ドットコムについて言えば、直接お客様に対して行うべき商品紹介を、そのままカメラの前で実演しているだけですし、両口屋さんにしたって日々行っているお菓子作りの様子を、ちょっとの空き時間に撮影しているだけ。いわば日常業務の中で行われていることなんです。動画が再生された回数だけ説明をしたり、お饅頭をふかしたりするのと比べたら、大幅な時間の節約、生産性の向上ということになりますよね。
そして先程も述べたように、編集作業はほとんどしていませんから、手間もほぼゼロ。このように動画マーケティングはお金も、手間もかからない手法なんです。
「予算もないし時間がないから、うちでは動画は無理」…中小企業のマーケティング担当者や、販売店や飲食店の店長さんがそんな話をするのをよく耳にしますが、それが完全な勘違いであることがおわかりいただけたんじゃないでしょうか。というわけで、新常識の2つめは動画マーケティングにはお金も時間もかけなくていい、ということになります。
お客様はどんな人から商品を買いたいと思うか
マーケティングで大事なのは、お客様の立場に立って考えることですよね。では、彼らはどんな人から商品やサービスを購入するのでしょうか。「カッコイイ動画をつくる人」から買うんですかね?違いますよね。では、「動画編集にお金をかけている人」からでしょうか。これも違いますよね。動画マーケティングにおいて、動画の質が高いかどうかは、本質ではないんです。では、何が本質なのか。その説明をする前に、一つ大事な話をしておきます。
世の中には、マーケティング用の動画を制作するコンサルティング会社や制作会社がたくさんあります。自分で動画が撮れるなら、彼らは不要なのかというとそうではありません。なぜなら「プロにしかつくれない動画」というものが存在するからです。たとえば、見る人の深い共感を得るような動画をつくるにはプロの動画づくりのテクニックがどうしても必要です。そういった動画を撮ろうと考えるなら、ぜひプロに相談してください。費用に見合った動画をつくってくれるはずです。
しかし、気をつけなければいけないのは、動画制作を依頼するのはたいへん難しい作業だ、ということです。それはなぜか。ひとことで言うと、マーケティングの動画はアナタにしかつくれないものだからなんです。
次章では、その点を含め、いよいよ動画の中身に踏み込んでいきますよ!