2016.06.29
One's View コラム Web Designing 2016年8月号
【コラム】奇跡を生むサービスTwitter 今号のお題「SNS」
さまざまな方々に、それぞれの立場から綴ってもらうこのコラム。ひとつの「お題」をもとに書き下ろされた文章からは、日々の仕事だけでなく、その人柄までもが垣間見えてきます。
今回は、僕の人生に大きな影響を及ぼしているTwitterについて書きたいと思う。Twitterは、「ツイート」と称される140文字以内の短文の投稿を共有するWeb上の情報サービスである。2006年にサービスを開始してすでに10年が経つSNSだ。
Twitterは僕の人生で数々の奇跡とセレンディピティを起こしているサービスで、このTwitterのお陰で今の自分があると言っても言い過ぎではない。いや言い過ぎた。
これまでTwitterのお陰でいろんな人に出会えたり、Twitter経由で採用したメンバーがうちで働いた後にTwitterに就職したりといろんなエピソードがあるのだが、今回はその中でも人生で最も心に残っている一つのエピソードをご紹介したい。
数年前、僕はあるイベントに参加するために社員と一緒に米国サンフランシスコに渡った。せっかくなのでベイエリアの企業訪問を試みていくつかリストアップしたのだが、その中でももっとも訪れたかったのが『トイ・ストーリー』で有名なピクサー社だった。僕はもともとピクサーが大好きで、グッドパッチのカルチャーもピクサーからかなり影響を受けている。5年前にサンフランシスコに住んでいた時はピクサーに行く機会がなかったので、今回こそ行こうということで何のツテもなかったが、ピクサー大好きな陽気なジャパニーズなら、守衛さんも少しサービスしてくれるだろうと正面突破で行ってみたら、見事に入り口で突き返された。
一同は意気消沈し、帰り道をトボトボ歩いていた時に、社員の一人がどうしても諦めきれずにTwitterで「ピクサーに行きたい!」と英語でツイートした。するとたまたまTwitterで繋がっていたデザイナーが「ピクサーに友達がいるよ」と、そのままTwitterでピクサーの人に繋いでくれるという奇跡が起こった。そしてなんと次の日には、ピクサーに行けることになったのだ。
そして、さらに凄いことにピクサー社内を案内してもらった後、オフィスの前に座っていたら、前からあのピクサーの数々の映画をつくった監督のジョン・ラセターが歩いてきて、握手を交わすというとんでもなくラッキーな出来事も起こった。
Twitterのツイート一つでピクサー社に訪問することができ、ジョン・ラセターと握手までできたのだ。Twitterは本当に奇跡のサービスである。