Webマーケティングとウェビナーの役割|WD ONLINE

WD Online

特集一覧 Web Designing 2020年10月号

Webマーケティングとウェビナーの役割 “感度”をくすぐり、儲けにつなげる

ウェビナーのメリットといえば、低コストで多くの利用者に配信できること。しかし、その効果を最大化するには、いくつかのポイントがあります。ウェビナー業界を牽引する株式会社シャノンは「そのポイントとは、デジタルな情報発信にアナログ的なフォローを融合すること」と提唱します

Webマーケティングの理想形は「目的志向型」

Webマーケティングの視点から企業Webサイトの管理・育成を行う(株)ヘノブファクトリー。同社取締役の谷脇しのぶさんはさまざまな案件を通し、多くの企業は本来Webマーケティングが発揮する効果を得られていないと感じていると言います。

Webマーケティングの価値が日本でいまいち上がらない理由のひとつに、その目的や手法がまだまだ知られていないことを挙げます。Webマーケティングという言葉自体は浸透しているのに、なぜなのでしょうか。

「それは、『分業化』が進んでいることが影響しているためです」(谷脇さん)。

日本では、Webマーケティングをはじめとした企業施策を行う際、“制作の”会社や“集客支援の”会社など専門性がある企業や個人とパートナーを組み、進めます。パートナー企業は当然、自分たちの“専門業務における”目的を果たそうと努めます。

「例えばセミナーを開く場合、制作会社はセミナーが開催されることがわかりやすい、あるいは申し込みがしやすいWebサイトになっているかを目指して業務を遂行します。集客支援の会社であれば、人を集めることに全力を尽くします。このような分業化が進んだ状況下では、自分たちの目の前にある『人を集めること』が目的化してしまい、セミナーを開いた先にある本来の目的を見失いがちです」

そのような状況を防ぐために、同社がクライアントに提案しているのは、Webマーケティングの最終的なゴールを明確に設定すること。そして個々ではなく、全体のゴール(目的)に向かって全員で動くことを目指します。

「最終的なゴールとは、売上につながるような目的のことです。これをどういう生産性の高い活動で実現していくのかを、それぞれのポジションのメンバーに共有することが大切です」

全員で、「最終的なゴールに到達しないと売上につながらない」という目的志向で動くことが、コンバージョンアップには不可欠だということです。

 

目指すべきは「信用」に重きを置いたWebマーケティング

「売上につながる目標設定が大事」と言うと、数字を追いかける営業的な活動を想像してしまいがちです。しかし、「マーケティングにおいて、営業に執着しすぎることは得策ではない」と言います。谷脇さんによると、マーケティングで重点を置くべきは、いかに顧客の「感度」を上げ続けるか。そして困ったことがあれば、「この会社に、この担当者に自社のことを任せたい」と思ってもらえる、ファンをつくることがマーケティングの真髄です。

「お客様は自分たちが抱える悩みを解消してもらいたいという動機で、例えば講演会やウェビナーなどに参加してくれます。その時に、自社やサービスのPRを中心に長時間話をしても、お客様は具体的に自分たちの悩みがどう解消するか想像できず満足に至りません。大切なのは、自分たちがこの会社に相談したら、どのような結果が生まれるかという連想を、いかにわかりやすくかき立てるかということです。その連想に対する期待こそが、顧客の感度なのです」

顧客感度をくすぐるために同社では、個別面談等の場でも直接的な営業はしないと言います。考え得る改善案を惜しみもせずに提示し、金額感や納期もすべて伝え、「この会社と出会えて、知ることができて良かった」と思ってもらえる接点をつくることに注力しています。そうしてファンになってもらうことができたら、クロージングのフェーズに影響します。

「お客様の利益を第一に考えた接点を最初につくり、感度を上げて信用さえ勝ち取っていたら、お金は後からついてきます。いろいろな事情でその時にはクロージングに至らなくても、半年後、何年後に思い出して戻ってきてくれます。また、一度納品が終わった企業から、追加で相談をいただくこともあります」

感度を上げて信用を勝ち取ってこそ、本来マーケティングがなすべき、「儲け続けるための仕組みづくり」が実現できます。

分業化が進む日本の企業では、Webマーケティングや企業施策の最終的な目的が見失われがちなことが課題。関わる企業、人それぞれに売上につながる目的を共有しておくことが、Webマーケティングの成果の有無に大きく影響します

続きを読むためにはログインが必要です。
マイナビBOOKSの「WD Online全文購読サービス」(有料)をご利用ください。

マイナビBOOKSへの新規会員登録もこちらから。

定期購読者はオンライン版が読み放題 !!
雑誌『Web Designing』の定期講読者には、
WD Onlineの全文購読サービスを無料でご提供しています。
詳しくは「定期購読のご案内」をご覧ください。

掲載号

Web Designing 2020年10月号

Web Designing 2020年10月号

2020年8月18日発売 本誌:1,560円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

リモート時代に必須!ウェビナーからのリード獲得ノウハウ

サンプルデータはこちらから

Web Designing 10月号(8月18日発売)特集

[非接触][低予算][短期間]でリード獲得!
LIVE配信&SNS動画「これで確実!」テクニック

リアルイベントの中止、対面商談の自粛などが続く状況で、「お客さんと直接会えない」時代になっています。そんな中、オンラインでできるマーケティング活動が、存在感を増していますが、何からはじめればいいのでしょう。

「直接会いに行けないならリモートで」というのが真っ先に考えられる手段です。 本特集では、広く顧客にアプローチできる「ウェビナー(Webセミナー)」を活用し、売上につなげていくためのノウハウを初歩から説明していきます。

また、予算と時間が限られている中でも、目的に合わせて施策を設計することで、大きな効果を上げることができる「SNS動画広告」。その運用方法を改めてイチからやさしく解説します。

マーケティングに大きな変化が迫られているリモート時代。非接触・低予算・短時間でできる2つの顧客アプローチ戦略によって、ピンチをチャンスに変えましょう!

----------------------------------------


Feature1:ライブを通じて顧客とつながる「ウェビナー大作戦」
セミナーと何が違う? メリットは? これだけは知っておきたいウェビナー
顧客アプローチの目的設定とウェビナーの有効性
イチから始めるウェビナー。施策設計編、準備編、開催編、ツール・機材・環境編
ウェビナーにおけるZoom、Teams活用法
開催するだけで終わりではない! 売上につなげるためのアフターケア

【コラム】ECのライブ活用。ライブコマースの魅力と実力

Feature2:最低限の予算で最大限の効果を得る「“今はじめる”SNSでの動画広告」
最新データで読むSNS動画広告。マーケ施策の中での立ち位置と消費者の関わり方
SNS・メニューごとの特性・費用を知り、低予算でもできるプランを目的別で練る!
SNS動画プロモーションで効果を上げるための内容やタイミング
サービスやツールをフル活用! 早く安く広告動画をつくるための工夫

制作の視点:リモート時代の動画づくり

(※記事内容は変更になる可能性があります)

------------------------------------------
【こんな方にオススメ!】
■ ビジネスイベントは中止になるし、未来の顧客に直接会いにいくのが難しい
■ オンラインが重要なのはわかるけれど、どんな施策を実施すればいいのかわからない
■ いろいろなウェビナーが開催されているけれど、本当に効果はあるの?
■ ウェビナーを自社でやる場合、何から手をつければいいのだろうか…
■ SNSへ動画広告を出す際、低予算・短時間でも最大限の効果を出すノウハウを知りたい
■ 非接触がキーワードになった社会で、動画のつくり方がどう変わっていくのか知りたい