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採用データの基礎知識 求職者ニーズをつかむための基本データを収録

企業にとっても、求職者にとっても、時代とともに仕事への考え方や位置づけが変わります。その変化に対応できてこそ、適切な採用戦略が描けるはずです。採用のこれからに備えるために、長年就職/採用支援事業に携わる(株)マイナビの栗田卓也さんに話を聞きました。

時代のライフスタイルに即した「採用」戦略が描けるかどうか

採用戦略について新卒/中途を問わず共通する大事な考え方が、年代による思想への配慮だと栗田卓也さんは指摘します。

「2000年代までは、まだまだ大手志向が強く、会社に自らのキャリア形成を依存する人たちは少なくありませんでしたが、近年はその傾向に変化がみられます。言葉通りの大手志向、安定志向ではなく、自らの成長やスキルアップを意識する人が増えているのです。例えば、エンプロイアビリティ(雇用される能力)と呼ばれる、転職可能性が高い能力を大手企業にいれば身につけることができる、エンプロイアビリティがあれば会社がどうなっても自分自身は安定していられる、といった考え方を持つ傾向がうかがえます」

もう1つの傾向が、多様な働き方に対する意識の変化です。その1つが、女性の社会進出に伴う「育児休暇」や「休暇後の職場復帰」といった、女性の職場環境への配慮が問われます。

「こうした職場環境への配慮に対して、男性も賛成という傾向があります(DATA1)。他にも、共働きしやすい社内制度かどうかが問われていることなども、調査結果から読み取れます。ライフスタイルバランスへの配慮は欠かせません」

出典:(株)マイナビと法政大学キャリアデザイン学部との共同調査 「大学生のライフスタイル調査」(2021年卒) https://saponet.mynavi.jp/release/student/life/mynavilifestyle2021/

 

単純な大手志向とは一線「自分がどうあるべきか」

ここからは新卒採用と中途採用について、それぞれ見ていきましょう。新卒採用の場合、昨今は上向きの景気で売り手市場とされています。そうした背景も踏まえた、大学生の就職にまつわる調査結果が「2020年卒 マイナビ大学生就職意識調査」に詳しく出ています。

「昨今の学生は東日本大震災の影響や、キャリア教育の中で自立を良しとされて育ってきた世代です。自分のことは自分でやらなければいけない、と考える傾向が強いとも言えます」

企業志向を問うDATA2では、中堅/中小企業を選ぶ学生が43.4%。企業選択に関わる事項を問うDATA3では、要因に「安定している会社」が39.6%、「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」が35.7%、少し離れて「給料の良い会社」が19.0%と続きます。

「“安定している会社”はここ数年も上昇傾向が見られた項目で、最新調査でトップになりました。2位の“自分のやりたい仕事(職種)ができる会社”は、2001年卒調査から前回調査まで企業選択の1位でした。これらの結果を考えると、安定しながら自分らしく働きたいというインサイトが見えてきます」

また、同調査内の就職観を問う項目では、「個人の生活と仕事を両立させたい」(24.4%)を引き離して「楽しく働きたい」(38.6%)がトップ。「行きたくない会社」を問う項目では、「暗い雰囲気の会社」(28.5%)を抑えて「ノルマのきつそうな会社」が34.7%でトップに。前回調査もトップでしたが、最新調査では前回より3.8ポイントも上昇しています。

「売り手市場であったことに加えて、昨今は働き方改革に関する報道も多く、残業などの無理を強いる働き方に警戒感が広がっています。大学生向けのライフスタイル調査も参照しながら、現代の若年層の傾向をつかみましょう。自分が過ごした時代や感覚と明らかに異なるインサイトが見えてきます」

出典:「2020年卒 マイナビ大学生就職意識調査」 https://saponet.mynavi.jp/release/student/ishiki/survey2020/
出典:「2020年卒 マイナビ大学生就職意識調査」 https://saponet.mynavi.jp/release/student/ishiki/survey2020/

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