2020.01.15
Web業界における転職市場の今とは? 現場の視点:PM力のニーズ
Web業界の転職市場において、プロジェクトマネジメントを心得た人材はどの程度求められているのでしょうか。実態を探るべく、業界特化型の転職サービス「マイナビクリエイター」を展開するマイナビワークスにお話をうかがいました。
上流工程まで遂行できる人材のニーズが増加中 PM力をもつWebディレクターは希少人材に
Webクリエイターの職域はとても幅広く、経営に近い業務から順に並べると本文下の図のようになります。「Webプロデューサー」と呼ばれる方は、経営視点を含めた事業計画からWeb分析くらいまで、「Webディレクター」は仕様書・ワイヤーフレーム作成から、人によってはWebのKPIをもとにした事業計画まで見ていることも。両者の業務領域は重なることが大半ですが、どちらにも必要になってくるのが「プロジェクトマネジメント」となります。企業ごとの考え方にもよるため、システム業界のようなプロジェクトマネージャーという呼称はあまり多くはなく、一概に「プロマネを担うのはこの職種」とはいえません。私たちとしては、「職種名」というより「業務内容」で企業・求職者をマッチングするようにしています。
その前提で企業がWebディレクターに求めるスキルを考えると、より上流に寄っている印象があります。自社サービスを持っている企業にその傾向が強いですが、クライアントワーク中心の制作会社であっても、ただ依頼通りにWebサイトをつくるだけでなく、なぜそのサイトが必要なのか、もしくは目的に合わせたサイト改善施策は何が適切なのかといった視点を持つ人材が求められています。それらのニーズの高まりに比べ、ニーズを満たせる経験値やスキルを持った人材の増加が追いついておらず、 上流までこなせるクリエイターは希少人材になりつつあるといえるでしょう。
一方で、他業界から未経験でチャレンジしたい人は増加傾向にあります。そうした人は、他業界で培った経験値やスキルを、Web業界で必要とされる「プロジェクトマネジメント」にどのように活かしていけるのか、それらの共通項を見つけることが大切になるかもしれません。
キャリアアドバイザーとして転職活動をサポートしている中では、「段取力」「表現力」「提案力」などを含む、広い意味での高度なコミュニケーション能力を持っているWebディレクターが転職に成功しやすいと感じます。ユーザー・クライアント・デザイナー・エンジニアなど、立場の違う人たちの間に立って業務を遂行するためには大事な要素です。
そのほか、大規模サイトに携わった実績、30~40代の場合、マネジメント経験は必須になってきます。そういった意味では、プロジェクトマネジメント領域の経験やスキルは価値が高いです。ニーズに応える人材になるには、自分がどの部分をどの程度できるのか、逆にできないのは何なのかを把握し、改善していくことが求められます。