2020.01.09
社長の“想い”は構成フェーズまでに全放出 スケジュール遅れ知らずの“ブレない構成づくり”のために
2019年8月に2年ぶりにサイトリニューアルをした株式会社トライバルメディアハウス。社内メンバーで行うリニューアルにありがちな課題、トラブルを回避しながらスムーズにプロジェクトを遂行したその秘訣を聞いた。
株式会社トライバルメディアハウス
https://www.tribalmedia.co.jp/
PM : 亀井大樹
D : 高橋佳佑/肥後鮎美/弓削智恵美
CD : 三浦商店信彦
AD/De : 原 英寿(Sunny)
HTML : 池田 亮/八木 貴之
BE : 木津武(TWEEK)
伝えたいことが伝わってない!? 旧コーポレートサイトの課題
デジタルマーケティングを中心に、大手企業のマーケティング支援からソーシャルメディアに関するツールの開発・提供まで幅広く手掛ける株式会社トライバルメディアハウス。
旧コーポレートサイトリニューアルの必要性を感じはじめたのは、2018年夏ごろのことだった。ちょうどその時期、1人だった広報担当が3人となり、人事担当メンバーも増えるなど、人材の補強が行われた。しかし、会社として発信できる情報が増えていたにもかかわらず、その更新に耐えられるサイト構成になっていなかった。かつ会社の大切なマーケティング活動のひとつであるセミナーページへの導線がなかった。
「そもそも『トライバルメディアハウスって、何をしている会社なのかわかりにくい』という課題もあり、新卒社員にヒアリングをしてみました。すると、『デザインはかっこよかったけど、何をする会社なのかはわからなかった』という意見が多かった。そこから情報の見せ方、導線の整理が必要だねとなりました」(亀井大樹さん)
サイトリニューアルでしなければならないことがまとまり、社内予算を取りに行こうとした2018年12月ごろ。突然、同社・池田紀行社長も、同じタイミングで「今のサイトでは、想いが伝わらない」と言いはじめた。
社長の“想い”を出し尽くしたブレない構成がプロジェクト成功の肝
社長の発言を受けて、「社長も巻き込んで進めていける!」と思ったサイトリニューアルのメンバー。構成を考える定例会から、社長に参加してもらうことにした。
「旧サイトをつくるときも社長にきちんと確認、納得してもらっていましたが、社長の伝えたいことが進化してしまった。1年ごとにコーポレートスローガンや組織の体制が変わるスピード感の会社ですが、コーポレートサイトは普遍的なデザインで、中長期的な視野でいいものにしたいと思っていました。そのためには、あとから『こうしたかった』と言われないようにしなければと考えました」(三浦商店信彦さん)
定例会は4月からスタートし、週に1回。ある程度方向性が固まってきたら2週に1回、全体で5、6回実施した。社員同士でゼロベースから意見を出しあっていては、みんなが「あれがしたい、これがしたい」と意見過多になり、まとまることもまとまりづらい。これを回避するために、亀井さんが軸となる構成や情報のベースをつくり、そこに意見をもらうというスタイルで進めた。
「特に社長が『こうしたい』と言ったことは、全部意見を放出してもらいました。十分に言いたいことを出しきってもらったうえで、あとからひっくり返されないように社長がやりたいことを形にしたということが、今回ブレなく、スケジュール通りに進行したポイントだったと思っています」(三浦さん)
結果として予算・構成のフェーズで、やりたいことをすべて引き出すことができた。あとは制作フェーズに移った際、スケジュールと予算を考慮しながら、「本当に必要なのか? 本当やりたいことなのか?」と指さし確認をし、そぎ落としていくだけ。「いいバトンを渡してもらった」と、制作フェーズを取りまとめた高橋佳佑さんはいう。