2019.12.25
STEP4・失敗しないための合意形成づくり 失敗しないプロジェクトマネジメントのために
クライアントと制作側、現場の意思疎通や合意形成は、いかに齟齬なくスムーズにできるかが成否の鍵です。オススメは共有できる場づくりと、共通ルールづくりです。
定例会議がリズムをつくる
みなさんはプロジェクトを立ち上げる際に、メンバーやクライアントとの定例会議を設けているでしょうか。私たちがプロジェクトを立ち上げる際には必ず設けます。
「会議が多すぎる」「非効率だ」というイメージが先行して、会議に拒否感を持つ人たちもいます。確かに無駄な会議を多く重ねても非効率ですが、中身のある効果的な会議は必要です。特に、プロジェクトメンバーやクライアントと定期的に話す場は必須です。「うまく回っていないから助けてくれ」と言われて途中から入る案件では、かなりの確率で定例会議がなく、プロジェクト内での情報共有が図れていません。
定例化せず「必要に応じて」とすると、その多くは実施されません。例えば、近くにいるメンバーと業務についてのコミュニケーションを日常的に持ちますか? 隣や周りにいる気の合うメンバーにも、こまめに状況確認をしあうでしょうか。直近の作業に没頭しがちとなれば、コミュニケーションの時間は意図してつくり出すべきです。
定例会議を設けておくと、日程調整をしなくていいメリットもあります。でなければ、クライアントも含めて、関わる人数が増えるほど、空いているタイミングがなかなか見つからず、調整だけで疲れてしまいます。
定例会議の日程を軸に、全体が動くようにします。定例化すれば会議の進行が洗練され、無駄に長くなることもありません。
どういう会議をするのか定義する
会議体は、クライアントとともに行う全体の計画や作業確認などの会議と、各レイヤーにあわせた会議、制作側の日々の細々とした業務に関わる会議などが考えられます。例えば、プロジェクト全体やフロントデザイン定例、システム・インフラ定例などです。それぞれどういうテーマを話し、誰がリードをするのか、どのような資料を持ち寄るのかを事前に決めておきます。会議体によっては、オンラインミーティングなどになってもいいでしょう。
無駄な会議を増やさず、効果的な会議を定期的に行い、ゴールに向けての共有事項、情報のアップデート、忘れがちなToDoリストの確認を行うようにします。
また、各種の定例会議が、なるべくオープンに、隠し事なく共有できる場となるようにしてください。予定より進行が遅れていれば、ごまかしたくなりますが、嘘は隠し通せないものです。いつかごまかしが効かなくなり、信頼を失います。一度信頼を失うと、報告にかかる工数がかなり膨らみます。遅れた状態や理由をオープンにした方が、意外とクライアントもメンバーも前向きに打開策を講じてくれるものです。
会議終了後は、担当者と期限を明らかにしたToDo、決定事項をメモとして、参加者に展開しましょう。話した内容をすべてメモにすると疲弊するので、最低限ToDoや決定事項だけは押さえましょう。