STEP4・失敗しないための合意形成づくり|WD ONLINE

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STEP4・失敗しないための合意形成づくり 失敗しないプロジェクトマネジメントのために

クライアントと制作側、現場の意思疎通や合意形成は、いかに齟齬なくスムーズにできるかが成否の鍵です。オススメは共有できる場づくりと、共通ルールづくりです。

定例会議がリズムをつくる

みなさんはプロジェクトを立ち上げる際に、メンバーやクライアントとの定例会議を設けているでしょうか。私たちがプロジェクトを立ち上げる際には必ず設けます。

「会議が多すぎる」「非効率だ」というイメージが先行して、会議に拒否感を持つ人たちもいます。確かに無駄な会議を多く重ねても非効率ですが、中身のある効果的な会議は必要です。特に、プロジェクトメンバーやクライアントと定期的に話す場は必須です。「うまく回っていないから助けてくれ」と言われて途中から入る案件では、かなりの確率で定例会議がなく、プロジェクト内での情報共有が図れていません。

定例化せず「必要に応じて」とすると、その多くは実施されません。例えば、近くにいるメンバーと業務についてのコミュニケーションを日常的に持ちますか? 隣や周りにいる気の合うメンバーにも、こまめに状況確認をしあうでしょうか。直近の作業に没頭しがちとなれば、コミュニケーションの時間は意図してつくり出すべきです。

定例会議を設けておくと、日程調整をしなくていいメリットもあります。でなければ、クライアントも含めて、関わる人数が増えるほど、空いているタイミングがなかなか見つからず、調整だけで疲れてしまいます。

定例会議の日程を軸に、全体が動くようにします。定例化すれば会議の進行が洗練され、無駄に長くなることもありません。

コミュニケーションを行える場を意図的に設けておく方が、その都度、状況の共有をしながら網羅的な進行がしやすい

 

どういう会議をするのか定義する

会議体は、クライアントとともに行う全体の計画や作業確認などの会議と、各レイヤーにあわせた会議、制作側の日々の細々とした業務に関わる会議などが考えられます。例えば、プロジェクト全体やフロントデザイン定例、システム・インフラ定例などです。それぞれどういうテーマを話し、誰がリードをするのか、どのような資料を持ち寄るのかを事前に決めておきます。会議体によっては、オンラインミーティングなどになってもいいでしょう。

無駄な会議を増やさず、効果的な会議を定期的に行い、ゴールに向けての共有事項、情報のアップデート、忘れがちなToDoリストの確認を行うようにします。

また、各種の定例会議が、なるべくオープンに、隠し事なく共有できる場となるようにしてください。予定より進行が遅れていれば、ごまかしたくなりますが、嘘は隠し通せないものです。いつかごまかしが効かなくなり、信頼を失います。一度信頼を失うと、報告にかかる工数がかなり膨らみます。遅れた状態や理由をオープンにした方が、意外とクライアントもメンバーも前向きに打開策を講じてくれるものです。

会議終了後は、担当者と期限を明らかにしたToDo、決定事項をメモとして、参加者に展開しましょう。話した内容をすべてメモにすると疲弊するので、最低限ToDoや決定事項だけは押さえましょう。

会議ごとの棲み分け、目的を分けながら、定例会議について上の表のようにまとめて、クライアントと共有しておくのがいいだろう

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掲載号

Web Designing 2020年2月号

Web Designing 2020年2月号

2019年12月18日発売 本誌:1,560円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

効果的なコミュニケーションを生む“ベストチーム”のつくりかた

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予定通りに進まないWeb制作の壁を突破せよ!

失敗しない
Webビジネスのプロジェクトマネジメント

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Webビジネス、ひいてはWebサイト制作のプロジェクトにおいて、「当たり前」でありながらも最大の難関と言えるのが、
「予定通りに完遂する」ではないでしょうか。

クライアントと制作サイド、どちらも大勢の人間が関わり、多くのステークホルダーが存在するWebのプロジェクトでは、
全員の共有がうまくいかなかったり、責任の所在が曖昧になったり、立ち上げ当初には思いもよらなかったトラブルが発生したりと
スムーズに進めることが難しくなってきます。

しかし、スピードが勝負のWebビジネスの世界において、プロジェクトの遅れは致命傷になりかねません。
また、万が一プロジェクトがうまくいかないと、利益の損失、機会の損失はもちろん信頼の損失にも繋がります。

そこでWeb Designing2020年2月号では、

「なぜ、プロジェクトはうまく進まないのか」

を掲げ、その原因の中でも特に重要な
「スケジュール」「コミュニケーション」にフォーカスして
機会損失・利益損失・信頼損失の事態にならず成果をあげる「失敗しないプロジェクトマネジメント」のコツを
お届けします。



【こんな方におすすめ】
◎クライアントワークで上流から関わる制作会社のディレクター、デザイナー
・企業のIT推進担当、Web担当者、マーケター


【内容(予定)】
●プロジェクトの流れを把握しよう
●失敗しない「ゴール設定」
●失敗しない「チーム作り」
●失敗しない「状況把握」
●失敗しない「内外調整」
●失敗しない「成果・評価」

●定例会議がグレードアップする「プロジェクトスプリント」
●PM担当者のための理想のPDCAサイクル
●目的が途中でブレないために「なぜ」を追求せよ

●プロジェクトを円滑に進める最強ツール活用術
Backlog/Googleスプレッドシート&Microsoft Excel/Trello/Slack/Chatwork

●Webビジネスのプロジェクトマネージャー育成/採用講座

●動画のプロジェクトマネジメント
●SNSのプロジェクトマネジメント

『Web Designing』2020年2月号の連載記事「知的財産権にまつわるエトセトラ」に誤りがございました。
下記の通り訂正し、読者ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

129ページ右段上から3行目について
(誤)市立芸大
(正)造形芸大