2019.10.25
今、CXに注目しなければならない理由。 すべてのWeb・アプリ制作者、ディレクター・プロデューサーへ
最近、CX(顧客体験)という言葉を頻繁に耳にするようになってきました。なぜ今、CXに注目が集まっているのでしょうか。実はその背景にはけっして見逃してはならない、ビジネスの革命的な変化があるのです。コンサルタント、宮坂祐さんと一緒に考えてみましょう。
1.Web制作・アプリ制作の仕事は今や新しいステージに進んでいます。まずはその背景を理解しましょう
「顧客体験」を重視しようというこの考え方に注目が集まりつつあるのはなぜでしょうか。宮坂さんは、その背景に注目すべきと話します。まずはその話に耳を傾けてみましょう。
ビジネスの「競争原理」が変わり始めている
デジタル化が進み、スマホが普及したことで、私たちの生活は大きく変化しましたが、それと並行してビジネスのあり方も大きく変わっています。例えば音楽業界を例に考えてみると、かつてはCDの販売が事業の中心にありましたが、今ではSpotifyやApple Musicのような配信型のビジネスが大きな割合を占めるようになっています。動画の分野も同様です。DVDの販売から、ネットフリックスやAmazon Prime Videoのような、配信型に主軸が移りつつあります。
こうしたサブスクリプション型ビジネス以外でも、単に製品を購入してもらうだけではなく、その後にオプションのサービスや商品を利用してもらうような売り方をするケースが増えています。もはや当たり前になってきたと言ってもいいほどです。
ここで注目しておきたいのは、こうした変化にともない、その根本にある「競争原理」も大きく変わりはじめているという点です。「これまでのビジネス」が、製品の発売時に向けてすべてのエネルギーを投じてきたのと比べ、「これからのビジネス」では、製品を気に入ってもらい、長く使い続けてもらうことにも力を注ぐ必要が生じています。顧客に提供する価値が「モノ」から「体験」へと変わりつつあるのです。