2019.07.01
動画の特色を理解してマーケティングで活用しよう 落とし穴に要注意!
Illustration: 鈴木海太
[動画の特色1]
動画を使ったマーケティングはなぜ失敗しやすいのか?
・いい動画ができたのに見てもらえない…
・予算をかけたのに売り上げにつながらない…
マーケのプロもハマる動画ならではの落とし穴
この1、2年でマーケティングに動画を活用する企業は一気に増えました。かける予算も以前に比べれば大きくなり、力を入れた動画も増えたように感じます。
しかしその一方で、動画をうまく使いこなしている企業はまだまだ少ないのが現状でしょう。
「予算をかけて動画をつくってみたが、拡散しないどころか再生回数も伸びない。いったいどうしてだろう…」
読者の中にも、実際に動画施策を手がけ、そんな風に感じている担当者の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ちょっと待ってください。このセリフには、マーケティングで動画を活用する際に陥りやすい「落とし穴」が、いくつも隠れていることにお気づきでしょうか。
例えば「動画をつくってみた」という言い回し。この言葉からは、目的やターゲットを絞り込まずに、ふわっとした取り組みをしてしまったことが推察されます。また、「拡散(バズ)」という言葉から、指標を定めぬままに取り組みを進めてしまったのではないかという印象を抱かせます。
たとえ動画を使おうが、それはWebマーケティングの一種。目的やターゲットにあわせたクリエイティブを作成し、その結果を計測して評価するという、マーケティングの基本は変わらないはずです。しかし、動画を使うとなぜかこうした基礎を置き去りにし、舞い上がったような施策を行ってしまう人が多いのです。これはいったい、なぜなのでしょうか。
拡散(バズ)という危険なキーワード
その理由のひとつは「拡散(バズ)」という言葉にあるように思います。
動画を活用したマーケティングが広まった当初、多くの人が注目したのは、「いかに再生回数が伸びたか」「動画がバズったか」という点でした。動画の価値は拡散にこそあり…。当時の感覚を心のどこかで引きずっている人がまだまだ多く、そのことがマーケティングにおける動画の価値を冷静に評価できなくしているのではないでしょうか。
また、「動画にすればなんとかなる」といった誤った意識を持っている人も少なからずいます。他の手法で失敗したケースでも、動画ならなんとかなる…。そう思う(思いたい)気持ちはわかるのですが、動画には大きな予算をかけることも多いことから、過度な期待が膨らんでしまっているのかもしれません。
そのほかにも、まだマーケティング領域で動画活用の歴史が浅いために、知見を積み重ねた企業や担当者が少ないことや社内の調整不足、意思決定の不調が原因となって失敗してしまうケースもあります。いずれも他の施策でも起こり得る失敗ですが、特に動画で頻発する失敗なのです。