2019.03.15
これからの新常識は 「CMSマーケティング」だ! まだWebサイトの更新にしか使ってないの?
進化を続けるCMSをWebサイトの制作・更新にしか使っていない企業もまだ多いのではないでしょうか? これからの新常識はCMSマーケティング! 今すぐ使いこなして、売り上げアップにつなげましょう。
高村治男さん
株式会社イノーバ プロダクトマネジメント部 マネージャー
https://innova-jp.com
1. CMSは強力なマーケティングツールになる
企業によって二極化する CMSの活用
Webサイト運営の基盤とも言えるCMS。しかし、今やCMSは「Webサイトの制作・更新」という役割だけにとどまらず、企業のマーケティング、営業を担うツールとしても非常に重要になっています。
オウンドメディアのパッケージサービスの提供や、独自のCMSを用いた、Webのコンテンツマーケティングに強みを持つ株式会社イノーバの高村治男さんも、ここ数年でCMSの使い方に変化が現れているといいます。
「以前はCMSというと、Webサイト管理システムとしての意味合いが強くありました。しかし、最近は企業のCMS活用は二極化しつつあります。1つは、多機能は求めず、自社サイトの最低限の更新・管理を目的としてCMSの導入・刷新を検討する企業。こういったケースは、専門的な知識がない人でも、いかに簡単にページを更新できるかという点に関心が高く、専任のシステム担当者がいない中小企業のニーズが高いと言えます。もう1つは、コンテンツマーケティングを見据えた頻繁なコンテンツ発信や、CMSを用いてお客様にどのようなアプローチができるかなど、CMSをビジネスツールの1つとして重視している企業です。こうしたケースでは、HTMLやCSSの知識がある人がWeb上でのしかけを展開したくなったり、メールマガジンを配信したりなど、CMSをさらに活用したくなった場合、そうした仕様に耐えられるのか、拡張性があるのかといった点が重要になります。ただ、実態は前者のようにCMSを『Web更新のツール』としか捉えていなかったり、あるいは『マーケティングや営業ツールとして使えることは知っていても、活用できていない』企業がまだ多いように感じます」
CMSは、一度導入すれば頻繁に入れ替えるものではないため、情報を積極的にはアップデートしていない人も多いでしょう。しかし、Webを活用したマーケティングの重要性を認識する企業が増えるなか、CMSにその役割の一端を担わせることで、ビジネスを成長させようとする傾向は強くなっていると高村さんは言います。
「今はBtoBでもWebでリサーチをすることは珍しくありませんし、Web上で相手企業のことを調べて、商談に臨むことはもはや当たり前になっています。そうした背景もあって、近年はお客様にとって最初のコンタクト先になるWebサイトをマーケティングや営業窓口として使えるように、さまざまな機能を持ったCMSがリリースされています」
マーケティング視点から見たCMS選びの注意点
多くのCMSが提供されている今、マーケティングに活用するためには何を基準に選べばいいのでしょうか? 高村さんは「基本的なWebサイトやページの作成・更新であれば、どれを選んでも問題ない」と前置きしつつ、次のような注意点を挙げます。
「まずは、マルチデバイスに対応しているかどうかという点です。これは1度の更新で、PC、スマホ、タブレットなど、デバイスにあわせて反映される機能ですが、今、リリースされているCMSであれば、大半のものは対応しています」
そして何より重要と高村さんが話すのが、「Webサイトの目的を明確にすること」と「運用の方法」。それによって必要な機能が変わり、コストも変わってくるといいます。そのために必要なのが、営業担当者やマーケティング担当者を交えたCMSの検討です。
「CMSをマーケティングツールとしてしっかり機能させるためには、情報を更新・発信していくことに加え、ページ分析や、訪問者情報の取得、情報のプッシュなど、さまざまなアプローチをすることになりますが、必要な機能は『Webサイトの目的』『展開したい施策』などによって異なってきます。メールマガジンの配信機能の有無や、入力フォームの有無、顧客リスト管理の必要性など、CMSで行える機能を実際の営業フローに照らし合わせて、まずは取捨選択する。さらに取得したデータを営業やマーケティングの担当者に渡しやすいかなど、CMS上でできることだけでなく、その先のフローまで考えて、CMSを検討することが重要です」