52手目の局面。島九段は44対56で後手持ち、中村修九段は48対52で後手持ちという。点数に差はあっても形勢判断は一致している。
図の△3三銀は2四から引き戻した銀。遊び駒を活用しながら7七角のラインを間接的に止めている。渋い手だ。46手目△9四歩も焦りを感じさせない。最近の里見女流四冠は攻めだけではなく、このような落ち着いた手が目立つ。中継室で進行を確認した鈴木女流二段は里見女流四冠の指しまわしについて、「(緩急をつけられると相手は)ペースを乱されてしまうんですよね」と感想を述べている。
(対局再開時の里見女流四冠)
(牛蒡)