戦型は斎田女流五段が四間飛車、矢内女流四段が居飛車を選んでの対抗形に。矢内女流四段は持久戦模様で進めるが、図では駒組みが難しいように見える。次に▲2五桂と跳ばれると銀桂交換が避けられないからだ。実戦は△1二玉▲1五歩△2四歩▲2六歩△2二銀上(下図)と進行。角筋を避けての香頭玉。米長邦雄永世棋聖が得意にしていたことから「米長玉」と呼ばれる形だ。そして矢内女流四段もこの形を得意にしている。香と玉が逆になるため端攻めには弱いが、その分囲いが早く完成する点が長所だ。後手は△8六歩の権利をちらつかせながら、堅陣を盾にした攻勢を目指している。
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