[将棋]マイナビ女子オープンブログ|将棋情報局

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▲清水-△里見戦は飛車交換が実現し、敵陣に飛車を打ち合っての攻め合いに突入している。こうした戦いではなによりも玉形の堅さが大きな要素。玉の周囲にある金銀の枚数が多ければ多いほど、相手の攻めを遅らせることができ、自分の攻めが先に敵玉に届く。ただ、後手には玉頭攻めという切り札がある。特に端は先手にとって最大の弱点で、ここをうまく攻められると守りの金銀が働かないどころか、逃げ道を塞ぐ障害物になりかねない。先手はそうならないように注意を払って指し進めることが必要だ。

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(清水女流六段。金銀四枚の堅陣で攻め合いに臨む)

(文)

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▲斎田-△長谷川戦は急な展開で、盤上に不穏な空気が漂っている。斎田女流五段は銀を7筋に繰り出して攻め込んでいったが、その瞬間に後手から△7七角成▲同桂△6七歩(図)の強烈なカウンターパンチが飛んできた。▲同飛は△8七角や△7八角と打ち、馬を作って攻め駒を責める手が厳しい。先手陣の薄さが目立つ展開になってきてしまった。後手はここぞとばかりに暴れてくるだろう。攻め好きの棋風である長谷川女流初段としてはまさに理想的な進行だ。「これは先手玉が2八にいてどうか、という戦いかもしれません」と千葉六段。激しい戦いになれば、後手の穴熊は無類の強みを発揮する。斎田女流五段、ここで踏みとどまれるかどうか。

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(長谷川女流初段、持ち味の攻めを存分に発揮できる展開になった)

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(斎田女流五段はバラバラの陣形で立ち回らなければならない。苦しい展開だ)

(文)

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きょうの東京は晴れ。日差しは暖かいが、風は冷たい。鳩森神社には年末の大祓(おおはらえ)で使われたものだろうか、茅の輪(ちのわ)が出ていた。境内の銀杏の木はすっかり葉を落としている。本殿からは笙(しょう)の音が響いていた。

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(文)

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simsat_57.gif▲清水-△里見戦では大きな動きがあった。清水女流六段が▲2四歩(図)と動いたのだ。これは△2四同歩▲同飛と飛車交換を迫る狙いで、刀を大上段から振り下ろすような強烈な仕掛け。飛車を打ち合う展開になれば、先手は金銀の密集隊形が生きてくる。後手は素直な攻め合いでは分が悪そうなので、曲線的な指し方でなんとか受け流したいところだ。

飛車交換を受け入れてその後の手順で工夫するか、それとも飛車交換を拒否して別の筋で勝負をかけるか。いずれにせよ後手は先手玉の欠点(香頭玉)をつくために、玉頭攻めで勝負する順を考えなければならないだろう。解説の千葉六段は次のように話す。「後手はこの仕掛けを成立させないように組み立ててきたはずなので、これが成立するとつらい感じはしますね。▲4六歩で歩交換しておく順も有力だったと思うので、あえてこの手を選んだということは、清水さんは自信を持っていると思います。先手が悪いことはないと思いますが、後手もすぐにつぶれるということはないと思います」

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(早くも正念場を迎えた里見女流三冠)

(文)

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saihas_44.gif▲斎田-△長谷川戦は、長谷川女流初段が軽い動きを見せている。取られそうだった5筋の歩を突き捨て、▲同金と取らせて形を乱してから△6一飛(図)と引く。歩損だが、先手陣が薄いことでバランスは取れているという考え方だ。「実戦的な指し回しですね」と千葉六段。先手中央に金銀を繰り出して非常に手厚い陣形になっている。囲いの薄さは突破を許せば致命的な弱点になるが、手を作らせなければこの厚さが生きてくるだろう。先手が押さえ込むか、後手が軽い動きで突破口を見つけるか。スリリングな中盤戦になりそうだ。
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(軽やかな動きを見せる長谷川女流初段。押さえ込まれないよう注意が必要だ)

(文)