大盤解説では、71手目▲5六歩の局面が検討されていました。
村田女流二段
「▲5六歩に△6二歩は▲2四飛△同歩▲4三角の筋があって、△5一飛に▲6三歩成△同歩▲4二角成でこの進行は先手よしということでした」
久保九段
「△6一飛と逃げると▲同角成△同金△4三馬が金銀両取りで厳しい一着になります。△4一飛と打てば両取りは防げますが、受け一方に飛車を打つようでは苦しいですね」
「ここで上田女王が長考していますね」
「指し手が難しいですね。▲4三角に△5三歩と受ける手はあるかもしれませんが」
(若葉)
図は14時30分頃の局面です。
玉頭の7筋で始まった戦いが中央に波及し、盤面全体を使った戦いへと進展しました。右辺の歩を突き捨てて味を付け、里見女流四冠は再び左辺の玉頭へと手を戻しました。▲6五桂まで進んで先手の攻め駒は躍動しており、指し手の主張が通った形です。△7二金引には▲7三歩と打つことができます。▲7五歩(53手目)と突き捨てた手がここで生きています。
形勢判断の難しい局面が続いていましたが、現局面は先手よしとみられています。
(控え室を訪れた片上大輔六段。「この瞬間は振り飛車が嫌な局面ですね。▲6五桂△6四金は▲8四歩でしょうか。△同歩なら▲5五歩で後手は王手飛車取りのラインがあります」との見解)
(糸谷六段。「ここは▲7三歩とたたくと思います。(1)△同桂は▲同桂成△同銀▲6五銀と攻めることができます。(2)△6二金寄には▲5六歩として次に▲5五銀を狙うのでしょうか。先手陣は薄いのでまだまだ大変ですが、これまでの指し手に筋を通すことができました」)
(若葉)
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