こんにちは。藤井聡太四段が子供の頃熱中していたという「キュボロ」という木製玩具をやってみたい編集部島田です。
今回は、本ブログの新しい試みとして、4月発売予定の斎藤慎太郎先生の新刊「常識破りの新戦法 矢倉左美濃急戦 基本編」発売までの道のりをレポートしたいと思います。
第1回は、斎藤先生から原稿が届くまでのまとめです。
その前に「矢倉左美濃急戦」って何?という話ですが、これです。
※矢倉左美濃急戦の基本図を激指14で作ってみた図
矢倉戦で先手が普通の矢倉に組んでいるのに対して左美濃にして居角のまま急戦を仕掛ける作戦です。これまでは戦法名も「居角左美濃」「対矢倉新型左美濃」などと定まっていなかったように思いますが本書では「矢倉左美濃急戦」とさせていただきました。
後手は矢倉に組んでいないのですが、広い意味で「矢倉戦で」「矢倉の立ち上がりで」というニュアンスで使っています。
この戦法のポイントは
(1)居角のまま攻撃態勢(△6四歩型)を作る
(2)囲いは左美濃にする
(3)飛車先は受けない
(4)△6五歩から仕掛ける
やろうと思えば誰にでもできます。そしてその攻撃力は恐ろしいほどに強力です。
私もよくやられます。
プロ公式戦で鮮烈なデビューを飾ると、若手棋士を中心に採用され非常に高い勝率をあげます。「あれは何だ?」とアマチュアの注目度も高まる中で、この戦法のスペシャリストである斎藤慎太郎六段に書籍の執筆をお願いしたのが2016年の9月。斎藤先生は快く引き受けてくださいました。感謝!
※斎藤先生は棋界きってのイケメンです
執筆にあたって、まずは章構成を検討していただきました。
第1章 矢倉左美濃急戦の駒組み
第2章 対▲4六角
第3章 対▲8八角
第4章 5手目▲7七銀への対策
第5章 実戦編
というプロットで執筆スタート。
「糸谷&斎藤の現代将棋解体新書」を読んでいただいた方にはわかると思いますが、斎藤先生の姿勢には妥協というものが全くありません。編集者ながら「そこまで書いちゃっていいんですか?」と心配したくなるほど研究内容を深いところまで披露してくれます。
そんな斎藤先生だから、この戦法について書きたいことは山ほどあるわけです。
締切が迫った今年の1月に斎藤先生から「書きたいことが書ききれないので2冊にしたい」という提案がありました。
編集部としては「どうぞどうぞ」です。音速でOKです。
と、いうわけで今回は「常識破りの新戦法 矢倉左美濃急戦 基本編」と題して、以下の章構成でいくことに決まりました。
第1章 駒組みと狙い
第2章 対▲4六角
第3章 対▲8八角
第4章 対▲3八飛
そしてついに先日、原稿が届いたのです。通常のマイナビ出版の将棋書籍は224ページなのですが、今回の原稿を見てみると、2冊に分けることが決まったのにもかかわらず250ページくらいある。恐るべし斎藤先生。
発売時期と価格が決まったので、昨日からAmazonでの予約を開始しています。ツイッターで告知しただけですが、すでに何冊か売れているようです。本書への注目度の高さを感じます。
書籍制作の工程としては、これからゲラと呼ばれる書籍をバラバラの紙にしたようなものを作り、校正作業を行います。ゲラができあがったら本ブログで一部公開したいと思います。
ちなみに注目の原稿内容ですが、当然ながら素晴らしいです。斎藤先生の熱意と深い研究が凝縮されております。
原稿はWordファイルでいただいたのですが、出だしのところだけちょっとお見せしましょう。
最初の1ページ読んだだけでもワクワク感がすごいです。
今後も本書については、内容も小出しにしつつ、発売までの軌跡を追いかけていきたいと思います。
それではいつあるかわからない第2回をお楽しみに!!
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