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新刊案内「横歩取りハメ手裏定跡」~豊島―YSS戦の変化、鮮烈の角打ち~

2016.01.29 | 島田修二

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こんにちは。
結露対策で扇風機ってどうなの?と思っている編集部の島田です。

今日はコクヨの予告通り新刊案内いきます。

紹介いたしますのは飯島栄治先生の2月16日発売予定の新刊「横歩取りハメ手裏定跡」です。



将棋世界の連載「今日から使える!横歩取り裏定跡研究」に大幅に加筆したもので、「横歩取り超急戦のすべて」「研究で勝つ!相横歩取りのすべて」に続く第3弾にして最終章でございます。

取り上げているのは主に2つの戦法。ひとつ目は先手が▲3四飛と横歩を取った手に対して△4一玉とする「△4一玉戦法」。





当然△3三角とくるだろうと思っているところに△4一玉できっと相手はびっくりするでしょう。
次に△8八角成▲同銀△7六飛。あるいは△3八歩▲同銀△8八角成▲同銀△4五角が後手の狙い。

それを避ける▲2四飛には△8八角成~△3三角。




単純な狙いなんですが強力で相手が正しく応接しないと後手が瞬獄殺(豪鬼)で勝ちます。


2つ目は△3三角戦法における「なんでも△2四飛ぶつけ」です。





△2四飛ぶつけに関してはハメ手というかむしろ現代横歩取りの本流なんですが、△2四飛周辺のハメ手を含めた激しい変化を多く解説しています。


本日ブログで紹介するのはそのどちらでもなく(なんでやねん)、△6二玉と上がる手です。完全に個人的な嗜好によるものでございます。




この手を見てピーン!ときた方は(喜多方は)かなりの将棋通(ラーメン通)!

そうです。第3回電王戦第3局。▲豊島七段―△YSS戦でYSSが放った新手でございます。

ただ、そのときは以下▲3三角成△同桂▲2一角(下図)に





△3一銀▲3二角成△同銀▲2二飛成から豊島先生が圧勝したのは、みなさんご存じの通り。

ちなみに図の▲2一角で△5二玉型なら△3一金で角が死んでます。△6二玉型だから△3一金には▲4三角成(下図)があるというわけで、この順は△6二玉を真っ向からとがめにいった順といえます。





この豊島先生の鋭い斬り込みによって△6二玉は悪手の烙印を押されちまったんでしょーか?

汚れちまった悲しみに今日も小雪が降りかかるんでしょーか?

しかしかかし!実戦の△3一銀に代えて△2五歩!という手があるんじゃないか、というのが飯島先生の説。本で解説されています。





以下、▲3二角成△2六歩▲2二馬△2七歩成と進みます。





確かにここまでは必然のような気がします。問題はこの後です。

私がぜひとも紹介したいのはここから▲1一馬△2八歩▲3三馬△2九歩成▲4八銀△3八と▲同金△2六桂▲4九金△3八桂成▲同金△2八金▲同金△同と(下図)と進んだ局面です。

ちなみに上記手順中▲1一馬では▲3三馬、△2八歩では△4四角もあり、書籍で解説されています。




この局面で先手から一番早い手は▲8六香~▲8四香なんですが、▲8六香△3八と▲8四香(下図)と進んだところでものすごい手があります。





ただただ、この手を紹介したいからこのブログを書いている私です。


その手とはなんとびっくりの

▲7七角!!!!!!!!!!





あちょー!!!
どあちょーーー!!!

この手に対して△同馬、△同桂、△同金はすべて詰んでしまいます!
詰みを逃れるには▲5八玉しかありませんが、そこで悠々△3三角成と馬をとって後手勝ち。

飛車での王手飛車」、「角での王手角」は取られて意味ないと信じて生きてきたのに。
私の人生どうしてくれるんですか。

ちなみに書籍にはこう書いてあります。

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▲8四香と飛車を取った瞬間、7七に角を放り込む妙手がある。こんな手を食らって負けたら3日は眠れなくなるというくらいの絶妙手だ。
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先手はこうなってはいけないのでそれ以前のところで修正するんですが、それより前に後手も修正する手があって、さらにむにゃむにゃむにゃとあって、結局結論として△6二玉に対して豊島流の斬り込みは・・・・・。

ここから先は書籍でご確認ください。

もう一回紹介するチャンスがあったら△4一玉戦法か△2四飛ぶつけについて書きます。

それではみなさん、今週も良い週末将棋ライフを!!

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