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雨宮編集長のコゴト@りゅうおうのおしごと!

2015.09.12 | 週刊将棋編集部

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 手元に文庫の新刊が届いた。この編集部に届くのだから、とうぜん将棋関係の本だ。ところが、カバーにはかわいらしい少女と、イケメン少年がアニメ風に描かれている。タイトルはオールひらがなだ。入門書以外に、こんな装丁の将棋本はありえない。

そう、9月9日号で紹介した、あの本だ。

りゅうおうのおしごと!

 ライトノベルのGA文庫が、将棋界を舞台にする英断を下した。ふつうに考えれば、ライトノベルと伝統文化は極端に世界が違う。こんなコラボレーションが可能なのか。

 可能なのだ。以下は筆者の持論。

 そのそも将棋は「面白いもの」だから、多くの人によって何百年も楽しまれ、結果として「伝統文化」になった。最初から伝統文化だったはずはないし、面白くなかったら、とっくの昔に廃れていたはずだ。
 つまり、将棋の本質はエンターテインメント。ライトノベルとマッチングする素地は十分にあるのだ。ライトノベルと質は違うが、そもそも将棋界にはハチャメチャな話ならいくらでもある。

 著者の白鳥士郎は、農林高校を舞台にしたラブコメ『のうりん』をヒットさせた。ハチャメチャドタバタはライトノベルの王道。それに加えて農業・畜産のマジメな世界が描かれていて驚かされた。『りゅうおうのおしごと!』といっしょに『のうりん』の第11巻も発売される。何か「芯」がなければ、これほどの長期シリーズにはならないはずだ。

 専門的でディープな世界観。これって、将棋界にもあてはめられる。監修には「西遊棋」がついているのだから心強い。オビにある竹内雄吾四段の壊れかけたコメントが頼もしい。

 さて、本は手元にあるが、実はまだ読んでいない。今日の仕事が終わってから、ゆっくり楽しもうと思っている。