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新刊案内「わかる!勝てる!!石田流」~石田流最強説と105ページに載っていた意外な銀上がり~

2015.06.26 | 島田修二

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みなさんこんにちは。
将棋年鑑の入稿作業がついに終わり、これからの校正と眠気との戦いにすでにひるんでいる編集部の島田です。

最近、まともに新刊案内してないような気がしたので、今日は宮本先生の新刊「わかる!勝てる!!石田流」を紹介しようと思います。



石田流といえば、今回将棋年鑑で一年間の出だしの数手の勝率を調べたんですが、▲7六歩△3四歩▲7五歩の出だしはなんと先手勝率0.645!!

いろんな出だしの中で一番先手の勝率が高かったのでございます。
他にもいろんな初手の先手勝率やもう少し細かい戦型の勝率なども調べて掲載しましたので、詳しくは将棋年鑑をご覧ください。

とにかく、私が唱えたいのは「石田流最強説」。
角道を開けるために突いた▲7六歩。その7筋をもう一回突いて飛車を回ることによって、一つの筋で角と飛車の両方の利きを通そうというなんとも合理的な作戦。

ただ、この石田流に対して現在最も有力とされているのが4手目△1四歩!
将棋年鑑巻頭特集⑤の「上野裕和の最新将棋事情」に載ってます。



正直、私には意味が全然分かりませんが、4手目△1四歩とした場合、先手の勝率はなんと0.500!3手目▲7五歩に対して4手目△1四歩がどれほど健闘しているか分かります。

さて、本日私が紹介したいのはこの4手目△1四歩・・・ではありません!

二枚銀戦法です。



居飛車は銀が横に二枚並んでます。(だから二枚銀)
対して振り飛車は、まぁ普通の石田流の形です。
と、いうわけで居飛車がこの形にしようと思えばできそうです。

私は居飛車党なので、振り飛車の本を読むときも居飛車目線で読んでますが、この二枚銀の形、いいです。だって、なんとなく中央が手厚いし、めちゃくちゃにさばかれて負ける一番つらいパターンがなさそうですからね。

で、問題はここで振り飛車が何を指すかということなんですよ。

このブログを読んでいる振り飛車党のみなさん、あなたの第一感は何ですか?


※再掲図

シンキングターイム!!

 

 


書籍にはここで
▲5六銀△8五歩▲7六飛という手順と



▲5六歩△8五歩▲7六飛という手順と



単に▲7六飛が紹介されてます。




皆さんの考えた手と同じでしたか?

▲5六銀、▲5六歩、▲7六飛、いずれも自然な手に見えますが、驚くなかれ!それこそが二枚銀戦法の思うツボ!この3つ、すべて△7二飛で石田流が悪くなります!!

いやー、本読んでびっくりしました。
二枚銀戦法ってこんなに優秀だったんかと。
詳しい手順は書籍を読んでくださいね。

ただ、もっとびっくりしたのが105ページに載っていた正解手。
すべてを打ち砕く答えがそこにありました。

ここでの正解手はまさかの▲7六銀!!




えっ!?そっち??マジかよ頭脳パワー?(昭和の香り)
今△5二金右と上がったところでまさかの逆モーション!!
私のハートはストップモーション!(分かる人にだけ伝わればいいやつ)

どーですかみなさん、この指しにくさ。
▲7六銀が第一感だったという人がいたらです。

しかもこの▲7六銀を指せたとしてもそのあとも結構難しいという!
こんなの知ってるアマチュアはかなり少ないはず、と、いうわけで私、石田流には二枚銀戦法で行く、と心に誓ったのでございます。

この「二枚銀戦法」の前の章は「棒金」なんですが、これも有力な戦法です。
棒金戦法の「森内新手」と言われて分かる方がどれくらいいるんでしょうか。
あれは強力です。


何が言いたいかというと、「わかる!勝てる!!石田流」は居飛車党にとってもいい本だよ!ということです。


発売は7月14日(火)です。

こうご期待!