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角交換四間飛車の心得11「△7九角の強襲には飛車をさばけ」

2015.05.18 | 米澤孝至

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先週の木曜日、財布を買い替えました。編集部の米澤です。
確かに少し穴が空いていたのですが、後輩の藤原に「財布の体をなしていない」と言われてしまったので、その日のうちに気合で買い替えました。
良き後輩です。

今日は先週の続きで、新刊「角交換四間飛車で勝つための24の心得」から、心得11「△7九角の強襲には飛車をさばけ」を紹介します。

「角交換四間飛車で勝つための24の心得」というニュータイプの書籍について

ちなみに、前回作業中のカバー画像をチラ見せしましたが、実物は大胆に変更しております。お楽しみに。

さて、テーマ11図に戻りましょう。



ここからどういう手順で後手の猛攻をかわすか、頭の中で思い描いてから先を読み進めていただければと思います。

とりあえず、▲7八飛とかわすしかありません。数手進んで第1図。



ここが大事な局面。
次に△8七歩成を無条件で許してはいけません。

ここで安用寺先生の教えです。

「対応策は少しでも多く知っておく方が有利」

こうした局面で、最善手を見つけるためには、「こういう指し方はどうかな~」というのがたくさん思い浮かばなければいけない、ということです。

方針①
▲5八飛△8七歩成の瞬間に、何か手はないか


具体的には、8筋に歩を打って飛車を止める手はないか。
もし4三金が4二なら▲8三歩△同飛▲6一角という要領。

今回はこの手段は使えないので、方針を切り替えて▲8六同歩△同飛▲8八歩△8七歩▲7七角と進めます。
実はこれは6三の銀に注目した指し方なのですが、これについては最後に補足します。



ちょっとこの先は駆け足で進めます。
第2図で△8八歩成は▲8六角△7八と▲9五角で先手有利。



攻められて怖いようですが、元々後手は駒損。
飛車を捨ててしまっていますので、「7八のと金を間に合わせるか、先手の角をいじめられる展開にならないと苦しくなる」とのこと。
こういう形勢判断の考え方も随所に散りばめられているので、非常に勉強になります。

第2図からは△8二飛▲4七金△8八歩成▲同飛△同飛成▲同角△8七飛



じっと▲4七金は相手に有効な手がないと見切った手。
いかにも振り飛車党という感じでかっこいい一着です。
しかし△8七飛と打たれて大丈夫なのでしょうか。
飛車成りをうまく防ぐ手がありません。

第4図から▲6六角△8九飛成▲8四飛△同龍



飛車を成りこまれそうな局面でしたが、たったの4手で急に視界が開けました。
飛車角が奇麗にさばけた上に、次の▲6二角成が非常に厳しいです。先手勝勢です。

駒損の攻めに対しては、結局大駒をさばくのが一番ということです。
そして角のさばきを考えたときに、▲8四角や▲9五角から▲6二角成を狙うのが急所の一撃となる、というわけです。
なるほどー。

さて、この心得11はまだ終わりません。
最後に、下図です。



後手の金が4三から5二に移動しました。
さきほどまで弱点だった6三銀が強化されています。
つまり、同じように進めると▲6二角成ができません。ジーザス。

困ったようですが、これも大丈夫。
今度は4三の金が移動して手薄になった地点を狙って、うまく大駒をさばきます。
飛車が気持良くさばける絶品の手順があるんです。

…が、長くなりましたので続きは書籍にて。
本書で角交換四間飛車のポイントとなる局面や、重要な考え方を知れば勝率アップ間違いなしかと思います。
ではでは。