皆さんこんにちは。
会社の自販機のミルクティーがなくなって少し落ち込んでいる藤原です。
昨日はブログでもすごい評判になっている嬉野流の著者、天野貴元さんと打ち合わせをしてきました。嬉野流の魅力や本の内容についてとても興味深い話を聞くことができましたので、いつかご紹介できればと思います。
今日は以前紹介した北島先生の新刊「解明!相穴熊の最先端」の続きを取り上げます。ちなみに完成した表紙がこちら。
なかなかスッキリした仕上がりとなっています。ちなみに左上に書いてある「Cutting Edge」は日本語で最先端という意味です。
今回は第4章のゴキゲン中飛車対超速から一部抜粋してご紹介。
上の図面は後手が6筋に飛車を回り、歩交換を終えたところ。ここで先手の指し手は広く、①▲5九角②▲1六歩③▲8六角が候補手。ただしこのうちの二つは先手が自信のない展開となってしまいます。果たしてどの手が先手指しやすくなるのでしょうか。
早速駆け足でそれぞれ見ていきます。
まずは①▲5九角から。
これは角を右に転回する自然な手ですが、以下△5二金▲2六角△4二角まで進むと
▲3七桂には△3三桂があり先手から仕掛けるのが難しくなってしまい先手自信なし。
次に②▲1六歩。
これは次に▲3八飛から攻めていこうとする手。▲1六歩を省いて▲3八飛は、将来▲3五歩△同歩▲同銀のときに△3七歩▲同飛△1五角の筋があるので無理。ただこの▲1六歩も△5二金▲3八飛△7四歩!で先手難局。最後の△7四歩が地味ながら好手で、3筋で銀交換になったときに△7五歩▲同歩△7六歩▲同金△6七銀を狙っています。
というわけで、③▲8六角が先手が指しやすくなる順。
後手の6筋交換をとがめ、角の利きで後手陣を牽制しています。以下△4二角▲同角成△同金に▲7七金が浮き駒をなくす一手で、次に▲2四歩を狙って先手良しとなります。
というわけでやっと居飛車側が良くなりましたが、この戦型以外でも振り飛車が良くなる変化は結構出てきます。
居飛車穴熊の本なのにそれでいいの?と思われるかもしれませんが、「内容的には居飛車穴熊が振り飛車穴熊を破ることを主眼としていますが、居飛車側に肩入れすることなく公平な視点で書いていますので、振り飛車党の方にも参考にしていただけると思います」(まえがきより)といった内容の本になっていますので、居飛車振り飛車関係なく穴熊党の方にはぜひ読んでいただきたいです。
発売は5月15日を予定しております。お楽しみに。