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居飛車穴熊▲6六歩型vs四間飛車穴熊△5二金型(2)

2015.02.23 | 米澤孝至

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こんばんは。編集部の米澤です。
さて、今日は先週の続きです。

居飛車穴熊▲6六歩型vs四間飛車穴熊△5二金型(1)

前回は大ざっぱに後手番の四間飛車穴熊についてまとめました。
そして今日は、▲6六歩型vs△5二金型の最新の攻防をご紹介します。



前回最後に示したのがこちらの図。
ここで後手番の選択肢は5つあるが、1つを除いてどれも苦しいというのが現状のようです。
選択肢は下の5つ。

・△6五歩
・△4五歩
・△1四歩
・△6一飛
・△1二香


書籍では当然、どれも解説しているのですが、今日は正解以外は簡単に済ませます。

①△6五歩は▲5五歩△同銀▲6五歩で駄目。
②△4五歩で、次の▲2四歩△同歩▲6五歩という単純な狙いが受けづらい。苦戦。
③と④は省略。

…随分ばっさり行ったような気がします。
大ざっぱな解説だと思ってここは聞き流してください。

正解は⑤△1二香
香上がりの具体的なメリットは分かりづらいですが、この手はもう何が来ても△4五歩~△6五歩と攻めるつもりという、かなり強情な一手。

というわけで第4図から▲3六歩△4五歩▲6八銀△6五歩▲同歩と進んで第19図。



大味な解説になりますが、△4五歩▲6八銀「次は6五から攻めるぞー」と言っている手です。
特に居飛車は駒を集結して6筋に備えていますが、そこを攻めるのが四間飛車穴熊の楽しいところなのです。

ちなみに第19図▲6五同歩に代えて、▲2四歩△同歩▲6五歩は、△6六歩以下後手良し。
実はこの変化に進んだときに、△1二香の一手が絶大な効果を発揮するんです。
そこまで知らないと指せない一手なんですね…。

さて、第19図からは△7七角成▲同桂△4六歩▲同歩△4七角…と進んで馬を作る展開になります。

最善の応酬の末、たどり着くのが下図。



広瀬先生の結論は、
「第4図の後手は△1二香で一局。簡単ではないが、これで後手も戦えると思う」

△5二金型は主導権を握って攻め続ける形なので、特にお勧めです。本当に楽しい。

今日は簡単な紹介でしたが、書籍では結論に至るまでの、
変遷と思考の過程が垣間見えます。お楽しみに。