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3手目▲6六歩からの相振り飛車ってダメなんですか?(3)

2015.02.02 | 米澤孝至

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最近相振り飛車をまったく指していない米澤です。
居飛車の勉強をしている最中なのでしょうがないのですが、相振り飛車が恋しいです。

先週に引き続き髙﨑一生六段の新刊「わかる! 勝てる!! 現代相振り飛車」の紹介です。

発売日は2月14日!
 
 
前回までのあらすじ。
「3手目▲6六歩からの相振り飛車もいろいろあったが、なんとかなりそう」
ざっとこういう具合です。
先後双方、いろいろな工夫を見てきました。
 
さて、いきなりですが。
前回までの話はある前提の上で成り立っている話でした。
この前提がとても重要です。
 
「後手が3筋交換すると先手に矢倉に組まれて、作戦負けしやすい」
※穴熊+矢倉崩しの形を除く。この形は先手も戦えるが後手に主導権がある

この前提が非常に重要で、この前提があるために、後手は工夫を強いられていたわけです。
 
ところが、「矢倉に組むと先手勝ちづらい」説が数年前から唱えられるようになりました。
今までの話はどうなってしまうんだ、ということにもなりかねないのですが、現状では、
「3手目▲6六歩の相振りの可能性を模索する棋士もいるが、基本的には後手が主導権を握りやすい」
という認識が一般的なようです。
 
手順は割愛しますが、後手美濃囲いから、素早く銀を繰り出す形が強力なため、先手がいい条件で矢倉に組めないようです。
本書のテーマである「3手目▲6八飛または▲7五歩からの相振り飛車」からは少し離れますが、この変化も先生の見解が序章にまとめられていますので、相振り飛車が好きな方は歴史の勉強だと思って、ぜひご一読ください。

相振り飛車事情とは少しズレますが、対居飛車において、ノーマル四間飛車が激減しました。
角交換四間飛車や石田流では3手目▲6六歩とする必要はありません。
そうした外的要因も重なって、3手目▲6六歩は傍流となってしまったということなんです。
以上が現時点における大ざっぱな3手目▲6六歩事情です。

★やっと本題へ
 
さて、3手目▲6六歩に代わる候補は▲7五歩▲6八飛です。
本書のテーマはこの2つです。
筆者の好みで今日からは3手目▲6八飛を紹介します。
 
この形のメリットは角道を止めずに戦えること。
(▲7五歩は△5四歩とされると▲6六歩とせざるを得ない。解説は書籍参照。)
 
四間飛車のまま戦ったり、三間飛車に振り直す場合もあるが、一番多いのは向かい飛車に振り直すケース。
これはよくある展開なので簡単にイメージをつかんでおきましょう。
これは先手の攻撃陣がうまく機能しており、8筋から攻めて先手が指しやすい展開です。
この形を目指せばOKです。
 
抽象的な話はここまでにして、実際の指し手を少し追ってみましょう。
 
 
私自身も角交換四間飛車を使いますが、▲6八飛に対し△3二飛とされるのが嫌でした。
▲2二角成△同銀▲6五角で勝てれば話は早いのですがその勇気もなく。
本書ではこの▲2二角成△同銀▲6五角を解説しています。
 
対して△5四角に、本書では▲同角を推奨。
 
 
さっそくの大乱戦です。
ここからが面白いところですが、この先の手順は次のブログにて。