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新刊案内『将棋魔法陣 ―二上達也詰将棋作品集―』 ~限定1000部!予約販売開始~

2014.12.12 | 島田修二

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皆さんこんにちは。
もう幾つ寝るとお正月な編集部の島田です。

今日は趣向を変えた新刊案内でいきます。

紹介しますのは本日予約販売が開始された二上達也九段の
将棋魔法陣 ―二上達也詰将棋作品集―』です。

タイトル:『将棋魔法陣 ―二上達也詰将棋作品集―』
著作者名:二上達也
価格:5,184円
A5判、352ページ、箱入り上製本
ISBN:978-4-8399-5438-3
発売日:2015年01月31日


今回は特別に本書の編集に携わっていただいた角建逸様より、紹介していただきたいと思います。

それでは、どうぞ!!


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 本書は二上詰将棋の集大成とも言うべき作品集です。

 第1部『将棋魔法陣』は、昭和28年、21歳五段のときに出版された作者の第一作品集。玉を盤面全てのマス目に配置した不成81番に、番外19番を加えた百局の中長篇は、当時詰将棋界にものすごい衝撃を与えました。

 盤面の数字は、各作品の玉位置を表したもの。タテやヨコの合計がすべて同じ数になるという「魔法陣」になっているのです! 



※このように第1番の玉の位置が5六、第2番の玉の位置が4七・・・というように魔法陣数字の順番で玉の位置が変わっていく

 発表当時を知る人は──。
野口益雄「清水孝晏氏から頂戴した『将棋魔法陣』を初めて手にしたとき愕然とした。予告もなしににわかに百局の傑作が出現したのである。それまでにも二上さんの名は一流作家として、若手棋士中の大物として、認識していたものの、これほどまでの大作家とは! 魔人を前にしたような畏怖を覚えた」(『将棋魔法陣』改訂版より)
内藤國雄九段「作る才能については、それを知らしめたのは詰将棋集『魔法陣』の発表である。私はこれを見たとき驚嘆した。なんという才能だろう。王を盤上八十一の枡目に置いて、そのすべてに成らずの一着が入っている」(本書への寄稿より)
 『魔法陣』は、『図巧』『無双』などの古典に憧れた作者が、奨励会入会前からの構想をわずか3年で具現化したものだというから驚きです。

 第2部『二上詰将棋珠玉篇』は、二上九段が『魔法陣』以降に出版した詰将棋作品集や将棋雑誌への発表作の中から、傑作、代表作百局を選りすぐったもの。手数は7手~33手で、60局は17手以下の短編、残り40局は実力養成の中編という構成です。
 邪魔駒消去、駒の打ち換え、玉方駒の翻弄、限定打、不成──。ハッとするような鮮やかな手順は、詰将棋ファンならずとも心奪われること請け合いです。

 第3部は、二上九段の詰将棋インタビューや、詰将棋に関するエッセイを再録。そして若島正さんによる解題、内藤國雄九段、勝浦修九段の特別寄稿文など読み物も満載です。

 論より証拠。『珠玉篇』から一作紹介しましょう。7手詰です。

『珠玉篇』第2番
▲1一飛成△同 玉▲1四飛△2二玉▲2三銀△同 玉▲1三金まで7手詰
 攻めの主駒と思われた1三の飛車を、いきなり▲1一飛成と捨てて▲1四飛と打ち換えます。飛車が一マス下がったことで、初手では成立しなかった▲2三銀が成立するのです。この駒数でこんな見事な技が決まるのは名手ならでは。

 解題の冒頭で若島さんはこう書いています。
若島正「二上達也さんは、古今のプロ棋士の中で、最も詰将棋作家と呼ばれるのにふさわしい棋士ではなかったか、とわたしはかねてから考えている」 
 ぜひとも本書をご覧下さい。そこには見たことのないような詰将棋の世界が広がっています。

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角様、ありがとうございました。私から一点付け加えを。
本書の序文は二上先生の弟子であるところの羽生善治名人が書いています!

以下にその序文を掲載します。

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序文 
                        
 もう三十年以上も前のことになりますが、師匠のお宅にお邪魔をして
弟子入りをお願いをしたときに、帰り際にいただいたのが『将棋魔法陣』
でした。

 小学生にはとても解けそうもない問題ばかりで、とても難しい宿題を
出されたような気持ちになりました。

 また、現在の目で見ても簡単には解らないものもあります。
 今回、先生の詰将棋の作品集が発刊されることはとても嬉しいことで
す。

 先生は雑誌に長く詰将棋を掲載されていたこともあって、フアンの人
達に楽しんでもらえるような作品がたくさんあります。

 以前、今までにどれくらい詰将棋を作ったのですか?と聞いたことが
あったのですが、師匠の答えは多すぎて解らないとのことでした。

 第2部の「珠玉篇」では、その中から選りすぐりの作品ばかり集まっ
ています。

 ただ単に難しいだけではなく、手順の切れ味にこだわりを持ち続けら
れていたのは、本書を読み進めて行くと明白になると思います。

 また、手順だけではなく、配置を最小限に、紛れは最大限に、実戦の
ような自然な駒捌きは、職人的な妥協の無さも感じています。

 読者の皆様にはそんなところにも共感していただければ幸いです。

                    羽生善治


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予約販売は今日から始まっています。1月末までに予約していただくと、予約特典としてポストカード2枚をプレゼントいたします。



大棋士であり詰将棋作家としても天才の二上先生の詰将棋作品集。
詰将棋ファンの皆さまはもちろん、すべての将棋ファンの方に手にとっていただきたい一冊です。


※予約はこちらから