雨宮編集長のコゴト@カスパロフvs羽生 | マイナビブックス

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週刊将棋

雨宮編集長のコゴト@カスパロフvs羽生

2014.11.29 | 週刊将棋編集部

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ある日の編集部の会話
 
「羽生先生とカスパロフの写真がヤフーのトップに出てるよ」
「へえ、さすが大物同士だな」
「カスパロフって、ディープブルーに負けた人だろ。引退してるらしいし、まだ強いのかな」
「レーティングは大差で羽生さんより上だそうです」
「そうなんだ」
「羽生さんだって、引退してもしばらくはそうとう強いままだろうしな」
「あ、チェスクロック使ってる!」
「それがどうした。あたりまえだろ」
「チェスでもチェスクロック使うんだ」
「バカか、おまえ。もともとチェスで使うものだったから、チェスクロックって言うんだろうが」
「そうか。知らなかった」
「この仕事やってて、知らなかっただと」
「そんなこといったって、将棋を初めたときには普通にあったんだぜ。名前の由来なんて、考えたこともないよ」
「字を見りゃ、普通にわかるだろ」
「それは、あらためて意味を考えたら、さすがに分かったと思うけど…」
「まったく、少しは頭を使え」
「それなら言わせてもらうけど、チョコレート食うときにチョコレートの意味とか考えるか?」
「おい、そういう話なのか、これは」
「あんただって原稿に『チェクスロック』ってわけわからんこと書いたじゃないか」
「あれはただの入力ミスだ」
「まあ、なにげなく書いてあったら、チェスクロックって読めちゃいますしね」
「100回読んでいたら、そのうちチェスクロックになる!」
「ああ、誤植撲滅は遠い…」
「昔のチェスクロックは、よく壊れましたね」
「たたくものじゃなくて押すものだ、と怒られました」
「熱くなると、たたくよな」
「チェスは紳士のゲーム?」
「いやあ、向こうだってマナーの悪いやつとか、真剣師みたいなやつはいたさ」
「でも、チェスだと持ち駒ごまかせないし」
「知ってるか。『インデペンデンス・デイ』の字幕で、チェックメイトを王手と誤訳していたぞ。詰みと訳さなきゃ、意味が通らねえ」
「そんなことより、このビルのコンビニには肉まんがないぞ」
「ただいま戻りましたあ」
「おう、ごくろうさん」
「なんだかにぎやかですね。面白い話ですか」
「それがさ、こいつがチェスで使うからチェスクロックだって知らなかったんだよ」
「え。そうなんですか…」
「な、こいつ情けねえだろ」
「いや、こいつの事じゃなくて」
「おい、おまえまさか」
「おれも今初めて知りました。そうか、そうだったのか」
「ひょっとして、感動してるのか」
「そうか、チェスで使うから…」
「もういい」
「あ、羽生さんが負けた。連敗しちゃったんだ」
「あの羽生先生が完敗…」
「完敗って、おまえチェスが分かるのか」
「いえ、ぜんぜん知りません」
 
以上は事実をもとにしたフィクションです。