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久保先生に教わる先手振り飛車最新事情

2014.06.30 | 

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こんばんは。編集部の米澤です。

振り飛車党希望の星、久保利明九段の新著がそろそろ出ます!

全体像はいずれ紹介するとして、今日は「最近の先手振り飛車事情」が分かる序章の一部を紹介します。
内容は難しいですが、長いので早足で進めます。
久保先生が現在先手番でよく使っている振り飛車は、
▲7六歩△3四歩▲7五歩石田流と、
▲7六歩△8四歩▲5六歩△8五歩▲7七角△5四歩▲5八飛先手中飛車
2手目△3四歩には石田流、△8四歩には中飛車ということですね。
 
そして石田流の第1図。ここから後手の対策はなんと7通りもあります。具体的には、
①△8四歩、②△6二銀、③4二玉、④△5四歩、⑤8八角成(ここまでは「久保の石田流」参照)、⑥△1四歩、⑦△3五歩の7つ。
 
①△8四歩と突く手が1番普通のようですが、これは減少傾向にあるそうです。
 

その理由の1つが、「第2図の先手にいろんな選択肢があるから」
ざっくり紹介していきます。
 
第2図から▲7六飛といきなり浮くのが菅井新手
これには△8八角成▲同銀△3二銀(第4図)が最善策のようです。
(△3二銀に変えて△4五角は▲6六飛で先手指せる)
升田式石田流は打開が難しいので、
菅井新手はここから仕掛けていきます
 
次は第2図から▲7四歩△同歩▲4八玉(第8図)の久保新手
先に突き捨てることにより、△6二銀~△7二金の受けを防ぐ効果があります。
△7二飛と歩を守る手には▲7六飛で勝負。
△8八角成▲同銀△4五角は▲5五角で先手が指せます。
 
次は第2図から▲7四歩△同歩▲5八玉(第13図)の稲葉新手
久保新手(▲4八玉)はあわよくば2八まで囲う手を狙っているのに対し、
稲葉新手(▲5八玉)は▲5八玉型で頑張ってそのまま有利な駒組みをしてしまおうとしています。
似ているようで思想は全然違うようです。
今のトレンドは第13図で△6二銀とし一歩取らせる作戦。
7筋の歩交換ができれば振り飛車不満なしですが、一手損がどう響くかという将棋になります。
 
最後に升田式石田流。第2図で▲7四歩と突かずに▲4八玉と囲うのも一局です。
打開が難しいとはいえ、先手にもさまざまなアイディアがあり、組み合って不満というわけではないようです。
ちなみに参考図ではかなり激しい変化が紹介されていますが、「これもありうる将棋」とのことです。
石田流の使い手の方は一度研究してみてはいかがでしょうか。
 
これが4手目①△8四歩の一端です。
しかしこの①△8四歩は減っており、④△5四歩、⑤8八角成、⑥△1四歩、⑦△3五歩などの相振り飛車狙いが増えているようです。
 
結論としては、「3手目▲7五歩は混沌の時代」
さて、この最新振り飛車事情を踏まえ、久保先生は本書で何を解説しているのか!
続きは後日!