ガレージからパークへ|MacFan

アラカルト Macintoshビギンズ

~ 9分で移動できるApple40年の時空 ~

ガレージからパークへ

文●大谷和利

Blast from the past ── あの頃の懐かしい思い出

今も静かに佇むガレージ

7月にシリコンバレーを訪れる機会があり、その際にジョブズの養父母の家のガレージとApple Parkのビジターセンターに立ち寄った。今回は特別編として、この2つの記念碑的な建物を軸に、時の流れを振り返ってみたい。

ジョブズのガレージはカリフォルニア州ロスアルトスのクリスドライブ2066番地にあり、現在の所有者はジョブズ・トラストという信託団体だ。

昔の写真と比較すると、今は番地を示すプレートが取り付けられているガレージドアの上部中央のスペースには照明があり、屋根の上に大きなテレビアンテナが設置されていたようだ。おそらく、ケーブルテレビやブロードバンドインターネットの発達により、不要になったアンテナが取り払われたのだろう。外装は、当然、塗り直されているはずだが、総じてジョブズが養父母と暮らしていたときの雰囲気が、よく保たれているように思える。

Apple Iの開発や組み立ては、このガレージで行われたと信じられてきたが、同期の設計者でAppleをジョブズと共同設立したエンジニアのスティーブ・ウォズニアックによれば、それは単なる伝説に過ぎないそうだ。

ジョブズは、ほとんどの仕事を客人用の寝室でこなし、Apple Iの開発は、ウォズニアックの勤務先だったヒューレット・パッカードのキュービクルや自宅アパートで行われた。完成したApple Iをガレージに運んで最終チェックなどを行うことはあったものの、いうなれば販売店のバイトショップに納品するまでの倉庫代わりだったのである。




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