2018.07.05
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株式会社メディヴァは2018年5月、医療機関や自治体向けに、Apple Watchを使用した外来診療サポートサービスの提供を開始した。東京・赤坂の小川聡クリニックはいち早くそれを外来診療に導入。Apple Watchを病気の早期発見や生活の見守りに役立てている。
デジタル診療が始まる
アップルウォッチの可能性が、またひとつ広がろうとしている。新たな活躍の舞台は、外来診療の現場だ。株式会社メディヴァは5月、患者の健康データを管理するシステム「ザ・ダイアリー(The Diary)」と、日本医療データセンターが提供する「健康年齢」のレポートサービスをパッケージ化した「デジタル診療サポートサービス」の提供を開始した。
同サービスの特徴は、iPhoneやアップルウォッチが収集した利用者の健康データを、医療従事者が「ザ・ダイアリー」を介していつでも把握できるというところだ。患者の日々の活動量や心拍数などが、リアルタイムで医師に共有されることで、病気の早期発見や生活の見守りにつながるという。
iPhoneの「ヘルスケア」アプリで管理される情報であれば、スマート体重計や血圧計などのIoTデバイスで計測したデータをそのまま連係できるため、面倒な入力は不要。仮に「ヘルスケア」アプリ非対応の体重計などを使っている場合でも、音声入力に対応しているため、記録は簡単だ。なお、このアプリはアップルの健康管理アプリ用開発フレームワーク「ケアキット(CareKit)」を使って開発されている。
小川聡クリニックは同サービスを導入し、国内で初めてアップルウォッチを医療サービスに活用する医院だ。心臓ヘルスケア外来を担当する木村雄弘医師は、iPhoneやアップルウォッチなどから得られるヘルスケアデータは、もっと医療に活用できるはずだと話す。
「身につけているだけで知らない間に蓄積されていく膨大なヘルスケアデータを見える化することで、健康管理の目標が患者さんとってもわかりやすくなると思います。心電図、採血などの医療データに加えて、日常のアクティビティ、心拍数のトレンドがわかれば、より具体的に生活習慣の改善、心臓病管理にコメントをすることができます」
診療の際は、電子カルテの隣にiPadを置き、ザ・ダイアリーでデータを見ながら、患者と話をするそうだ。ザ・ダイアリーのアプリ上では、体重と血圧のデータをもとにした「健康年齢」レポートも毎月届くので、月に1度の外来診療と合わせてフィードバックする。木村氏は「患者さんの生活改善のモチベーションにもつながると思います」と同サービスを評価している。
小川聡クリニック(東京都港区赤坂)では、不整脈や心臓病の早期診断および治療を行っている。心臓ヘルスケア外来の診療日は、毎週金曜日午前(第一金曜除く)。【URL】http://ogawasatoshi-clinic.com