アラカルト Macintoshビギンズ

~ フォントに現れた哲学の違い~

漢字Talk vs. SweetJAM 日本語サポートの戦い

文●大谷和利

Blast from the past ── あの頃の懐かしい思い出

悲願の日本語入力

Mac OS(現在のmacOSとは、表記が異なる初期のもの。当時は単に、System 1.xのように呼ばれていた)は、初めから各国語へのローカライズを意識した設計になっていた。画面に表示されるメニュー項目やメッセージなど、言語に依存する部分をメインのプログラムから切り離し、リソースと呼ばれる別データにしたのだ。

では、日本語版も簡単に用意できそうに思えるが、理屈ではそうでも、現実には3つの問題が立ちはだかった。

(1)英字よりもはるかに数の多い日本字のデータをどうするか?
(2)英字と比べて画数の多い漢字を、512×342ドットしかないモノクロ画面でどのように表示するか?
(3)英語システムにはない、かな漢字変換機能をどう組み込むか?

というものだ。

もちろん、僕を含めて初期の熱心なユーザは、GUI(グラフィカルユーザインターフェイス)ベースのコンピュータやアプリケーションそのものに興味があったので、日本語環境がないことは脇に置いて、Macでしか味わえない世界を堪能することに夢中だった。

また、OSレベルではないが、エルゴソフトのEGWord(当時はEgWord)がアプリ内だけの独自環境を構築し、日本語ワープロを実現していた。僕は原稿をそれで書いたり、打った文字をスクリーンショットで画像化してMacPaintなどにペーストするというMacならではの方法で大いに活用した。

しかし、Macが日本市場に本格的に受け入れられるためには、OSレベルでの日本語化は必須であり、悲願でもあった。




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