人類はなぜ高いモビリティが必要か(後編)|MacFan

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人類はなぜ高いモビリティが必要か(後編)

文●四角大輔

MacBookとともに世界中を飛び回る四角大輔氏の、自由に生きるためのヒントが詰まったフォトエッセイ。

人間のルーツは、雨量が豊富で熱帯樹林が大部分を占めていた、太古のアフリカだ。樹上生活を送りながら、日中に熱がこもる森の上部を避けて涼しい地上で過ごし、地面で食料調達していたという。

最近の研究では、樹の高所にある実を採る際や、限定的な陸上活動の際に有利ということもあり、当時からすでに「直立二足歩行」を始めていたらしい。

そんな永い永い「準備期間」を経て陸上に降り、ついにヒトが「直立二足歩行生物」になった最大の理由は気候変動。アフリカ大陸の乾燥化が進み、森が減って草地が増えていったためである。

「草原で遠くを見渡す」「獲物を狩る」ためといった理由から直立性能は高まり、二足歩行&走行はみるみる省エネルギー化した。結果として20キロ超の長距離走においては哺乳類最速、1日の歩行移動距離においては哺乳類最長クラスに。だが、これらの能力が我々に与えてくれたのは、モビリティの高さだけではなかった。

哺乳類最強の人間の脳がこれほど発達したのは、直立二足歩行生活が生み出した「頑強な骨格が、重い脳を支えられるようになったから」というのは有名な話。

さらに、歩行時に手を使う必要がなくなったため、人類の宝ともいえる「自由自在に使える2本の手」を獲得。どんどん精密化する手の指を駆使し、道具や家屋を作ったり、料理をしたりと、さまざまな緻密で高度な作業をすることで、さらに脳が進化したというのである。

以下にぼくの私見をまとめてみたい。

 

 

Daisuke Yosumi

大手レコード会社プロデューサーとして7度のミリオンヒットを創出後、インディペデントな人生を求め、2010 年より開始した、ニュージーランドの原生林に囲まれた湖で、水と食料を自給する〝森の生活〟をベースに、年の半分は世界中で働きながら〝移動生活〟を送る。エコ雑誌や登山雑誌など多数の連載、自身の著書、オウンドWebメディア『四角大輔のべて』(4dsk.co)をとおして、独自のクリエイティブ論とオーガニック思想を発信。大自然への冒険と、起業家&クリエイター育成をライフワークとしながら、ベストセラー作家、会員制コミュニティ「Lifestyle Design Camp」主宰者、上智大学非常勤講師など複数の顔を持つ。




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