「絶景」は観る価値があるか?|MacFan

アラカルト 旅するように暮らし、遊び、働く

「絶景」は観る価値があるか?

文●四角大輔

MacBookとともに世界中を飛び回る四角大輔氏の、自由に生きるためのヒントが詰まったフォトエッセイ。

旅が生活そのものであり、遊びでもあり、仕事でもあるライフスタイルを送るぼくが、「単なる観光旅行」をしないことは、これまで書いてきたとおり。

今年の欧州移動生活から戻って数日後ふと思い立って、ぼくが中学生から記録し続けている「人生やりたいことリスト」の中の、「行きたい所」カテゴリーを覗いてみた。ちなみにこのリスト、もともとは、紙切れやノート、ポストイットに書き込んでいた。

社会人3年目くらいからはシャープ社のPDA「ザウルス」を使うようになってテキストデータで記録するように。さらに時間を見つけては、紙に書いてきた古いリスト群のデータ化作業を敢行。

膨大なリストのデジタル化が完了したあとは、それを(会社から無理やり支給された)ウィンドウズPCと同期させて管理するようになっていった。と…簡単に書いたが、当時はまだモバイルデバイスとPC間の連携は確立されておらず、設定は複雑怪奇なうえに、不具合多数のソフトを何とか使っていたことを今でも思い出す。

今では「Todoist」というオフラインでも使用可能なタスクアプリを活用し、iPhoneとMacBook間でまったく苦労なく完全シームレスに同期させながら、引き続きリストを更新し続けている。

その「行きたい所リスト」の下には「海外」と「国内」という分類が存在し、さらにそれぞれの下層には「自然」「遺跡」「都市」「その他」とある。その中を一つ一つ見ていくと、この数年の移動生活で、半分近くの「行きたい所」を〝達成〟していたことを知り、ジーンと感動に浸ってしまった。

しかも、ほぼ全部のリストに記憶があり、いつ、どういう状況でその「行きたい所」をメモしたかを覚えていたことには、とても驚かされた。「行ってみたい」という衝動というのは、たとえ小さくても、人間の根源的かつ大切な欲求なのだと、改めて確信。

 

 

 

Daisuke Yosumi

大手レコード会社プロデューサーとして7度のミリオンヒットを創出後、インディペデントな人生を求め、2010 年より開始した、ニュージーランドの原生林に囲まれた湖で、水と食料を自給する〝森の生活〟をベースに、年の半分は世界中で働きながら〝移動生活〟を送る。エコ雑誌や登山雑誌など多数の連載、自身の著書、オウンドWebメディア『四角大輔のべて』(4dsk.co)をとおして、独自のクリエイティブ論とオーガニック思想を発信。大自然への冒険と、起業家&クリエイター育成をライフワークとしながら、ベストセラー作家、会員制コミュニティ「Lifestyle Design Camp」主宰者、上智大学非常勤講師など複数の顔を持つ。




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