2017.12.30
米国LA在住のITライター・三橋ゆか里氏の最新テックトレンドウォッチ!
昨年のこの時期のコラムでは、最近読んだ書籍について書いたように記憶しています。不思議なもので、基本的には読書好きなのですが、その時々で無性に本を読みたいときと、ただ映像を観たいときとに分かれます。考えてみると、仕事を含む生活全般が忙しいときは映像、気持ち的な余裕があるときは本を手に取っているのかも。
引っ越し、英語本の執筆、ロサンゼルス取材が必要な雑誌の仕事などが重なったためか、最近はもっぱら映像に偏っています。というわけで、ジャンルはまったく異なりますが、自宅または映画館で観たものを含めて最近触れた映画について少し。1つはイマイチだった作品、もう2つは何度でも観たい作品です。
1963年にオープンしたハリウッドのドーム型映画館「アークライトシネマズ」で観たのが、日本では12月8日に公開された「オリエント急行殺人事件」。アガサ・クリスティーのミステリー小説の映画版で、主人公はシリーズ化されている名探偵エルキュール・ポワロ。豪華列車という逃げ場のない空間では、乗客全員が容疑者。この点は、アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」と似ています。
結論から言うと、一本の映画として楽しめるものの、主に2つの理由で好みではありませんでした。まずは、映像を美しく見せるためにかなりCGが使われていること。たとえば、山腹の高架橋で立ち往生してしまうシーンは、本物の風景であれば圧巻なのでしょうが、CGだと一目でわかるため白けてしまいました。CGが気にならなければ、映像はきれいでおすすめです。
また、これはわたしだけなのかもしれませんが、名探偵エルキュール・ポワロのテレビシリーズは子どもの頃に大好きだった番組。卵型の頭は禿げ上がっているものの、左右と後ろに残った髪は漆黒。同じく、黒くて美しく整った髭がトレードマークでした。見た目や話し方を含め、わたしの中ではこのポワロこそポワロなため、今回の俳優さんはどうも受け入れられず…。とはいえ、全体的に豪華キャストなのは間違いありません。