2017.12.29
企業や教育機関へのアップル製品の導入をサポートする、株式会社Tooの福田弘徳氏が「モビリティ」の地平を語る。
「成長できている」と実感するのはどんなときか? その多くは、不可能だったことが可能になったときだろう。人は誰しもが現在の状況を今以上のものにしたいと考え、成長し続けたいと願っているはずだ。しかし、この成長機会を常に持ち続けることは可能なことなのか? 教育の現場でも業務の現場でも、一人一人が成長意欲を持って取り組める環境を維持することは極めて難しいことである。
また、デジタル変革が加速する現代においては、人も組織も、従来の延長線上にあるリニアな成長だけでなく、学び直し、つまりは学びのアップデートが必要になる。自分自身が成長したいという理由からだけでなく、ある意味、環境変化に伴って成長を余儀なくされたり、昔からやってきたことや積み上げてきた経験が意味をなさなくなったりするからだ。
先日、初めて英語でプレゼンテーションする機会があった。最初はうまくいくかどうか不安だったが、何度も練習を繰り返したことで本番ではスムースに言葉が出てきて、今では何も見なくても、そのフレーズが口から出てくるようになった。不快だと思っていた環境に身を置いて取り組み続けることで、結果できることが増え、成長を実感できたのである。
プレゼンテーションの練習ひとつを取っても、発表姿勢や発声、言葉遣いなど、自分自身の様子を動画で記録し、その過程を振り返ることで、今までできなかったことができるようになったり、自分の成長を確認できたりする。そして、自身の成長を実感し、成長の過程を確認できれば、さらに成長したいという意欲が湧いてくる。
教育の現場における一人一台のタブレット端末も、子どもたちの成長機会を育むために利用されるものでなければならない。機能制限を行うことには反対であると以前本誌にも書いたが、タブレットがもたらす成長機会について示すことが何よりも大事であると思う。