2017.12.06
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インテル社は11月6日、AMD社製Radeon GPUを統合した第8世代のモバイル向Core Hプロセッサを発表した。同社の方向転換とその背景、そして今後のMacへの採用の可能性について考えたい。
驚愕のライバル統合チップ
インテルが今回発表したのは、第8世代コア(Core)プロセッサの中で15インチMacBookプロシリーズなどに搭載可能なTDP47Wクラスのモバイル向けプロセッサ「Hシリーズ」。業界を驚かせたのは、そのプロセッサチップ上にAMDラデオン(Radeon)テクノロジーグループが開発したラデオンベースのモバイルGPUが搭載されていた点だ。
AMDはCPU市場においてインテルと直接競合するライバルであり、その歴史はi80386プロセッサのライセンスを巡って争われた30年前にまでさかのぼる。最近ではAMDの新プロセッサ「ライゼン(Ryzen)」シリーズが、そのメニーコア戦略とコストパフォーマンスの高さで、寡占状態にあったインテルのコアプロセッサ市場を脅かしつつある。そのライバルが開発したGPUをインテルが自社製品に組み込んだことが業界に驚きをもって迎えられたのだ。
同プロセッサに統合されているGPUの詳細スペックは公表されていないものの、「エンスージアスト(熱狂的な支持者)向けのディスクリートGPU」とされていることから、ラデオン・プロ(Radeon Pro)などに代表されるハイエンドクラスのモバイルGPUだと推測される。
さらにこのプロセッサにはビデオメモリとして最新のHBM2メモリも同時にスタッキング実装されており、GPUとHBM2の接続には新開発のEMIB(Embedded Multi-Die Interconnect Bridge)が、またCPUとGPU間には新しく設計されたチューニング可能な電源共有フレームワークが採用されており、温度・電力供給・性能をリアルタイムに管理すると同時に、処理内容に応じて両者のパワーバランスを柔軟にチューニングすることもできるように設計されているという。